【QK】あなたの香水【ymmt】

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案の定、私は煙草の煙に溺れることを覚え財布携帯とともに煙草ライターを常時持つようになった。

1日に2箱消えることは通常運転で 理不尽なことが起きると3箱目に突入することも。

頭が悪い訳では無かった。だからそれが体にどんな影響を及ぼすのかも分かっていた。

しかし辞めなければと思っても辞めらるものではないのである。


街にクリスマスソングが流れ出すようになりもう1年が終わるのかと感傷にふけていた。

相変わらず煙草を吸おうとしていると珍しい人物からの電話。

《久しぶり〜 こうへいです》

『久しぶりね、どうしたの？』

その相手は幼なじみだった。高校あたりまではお互い地元にいたこともあり連絡をとっていたがここ数年いつの間にか連絡を取らなくなったのだった。

《Aってクイズ昔してたじゃん？で、俺今もクイズしててさ何となく思い出したから電話してみた》

『続けてるんや 私も一応勉強はしてるんだけどさ、最近忙しくてやっとれんのよ』

《あー忙しそうね 気晴らしにご飯でもどう？忘年会ついでに愚痴とか聞こうか》

『私、東京出てるんだよね〜 年末は実家に帰る予定もないし』

だから会いたいけど会えないわ、と言おうとすると

《え、Aも東京出てんの？俺もだよ》

『えっ、こうへいも東京きてんの？』

《うん、なんだ〜 お互い出てんなら全然会えたじゃん》

『受験生あたりから絡まなくなったからお互いの進学なんて知らないよね〜』

《それな〜 何年あってないのって感じ》

『いやそれな』

《会いたかった？》

『は？』

《はってなに！？》

久しぶりだと言うのにも関わらずあの頃とおなじノリでなんだか安心した。

お互い20歳になった事だし居酒屋でも行きますかと。男女が二人きりで集まるにはいささか色気が無さすぎるが私たちに色恋沙汰は起きないことは十数年も一緒にいれば分かる。

クイズ、続けてるんだ。さぞ楽しい毎日を送ってるのではありませんか？

向こうも東京出たって聞いたけど大学どこだろ、頭良かったしワンチャン東大？それかまさかの同じ大学？、、それはないか まあ、あったら聞いてみよ

こうへいと話して気分が良くなった私は数ヶ月ぶりにタバコを吸わないまま布団の中に潜り込む

数年ぶりだしかっこよくなったりしてるんかしら

これだけ気が合うんだし付き合ったら続くとは思うけど恋愛感情は湧きそうにない。失礼か？

その日の夢は案の定 渡辺こうへいが出てきて一緒に鬼ごっこをした。

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