あの夏が飽和する。【轟焦凍】 (ページ8)

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小さく声が聞こえる

ソプラノだが、高すぎず、優しい声

俺が救われた声だった

だんだんと鮮明に聞こえてくるその声

そっと目を開ければ＿＿＿＿＿＿＿

「轟」

目の前にはクラスメイトであるAの心配そうな顔

寝ていたのか

悪いと謝れば、首を降ってクスリと笑われた

「買ってきたよ
ウィッグと服......すごく適当だけど」

俺はまだボーッとしている体を立たせる

「疲れた？」

「少し寝たから大丈夫だ」

「......そっか」

適当に壊れかけの建物にはいる

結構大きな建物で、ここで着替えようとAはいった

別々の部屋に入り、俺は渡された服を着る

パーカーだけは、リュックにいれておいた

着替え終わり部屋から出ると、Aはまだ出てきていなかった

数分後に出てきたあいつは、俺の姿を見て笑う

「轟が黒髪だ！！あはは！」

お前が選んだんだろうと思いながら、俺も髪に触れる

自分の髪とは似ていない触り心地に少しだけまゆをひそめた

名前は髪を切っていた

ウィッグはどうしたのかと聞いたら、使わなかったと何気ない顔で答える
髪を焼いて欲しいと言われたので、部屋に散らばっていた薄い銀髪の髪に火をつける

Aはオレンジに輝く炎をじっと見つめていた