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私は心臓が縮こまった。
男に、しかも見ず知らずの人に話しかけられた
のだ。
急いでそこを立ち去りたかったのに、恐怖で足
がすくんで動けない。
「ねーねーお兄さん大丈夫〜??」
また緑頭がそう言い、私に近ずいてくる。
(やめて……来ないで!)
そう思っても恐怖で声が喉から出てこない。緑
頭から離れたくても動けない。
緑頭がとうとう私に手の届くところまでやって
来て、ぱっと私のフードを取った。
フードの中から私の顔が、ポニーテールが現れ
る。
次の瞬間、私は無理やり体を動かし、走り出し
た。
「えっ、女!?おい、待ってよ〜」
緑頭はそういい、ヘラヘラしながら私の腕を掴
んだ。
「いやっ!!離して!!!」
そう叫び、力いっぱい腕を振りほどき、膝の震
えを堪えながら全速力で走り、家の方に向かっ
た。
「なにあれ!俺初対面の人にそんなに嫌われる見
た目かな〜!?」
緑頭がそう叫ぶ声が聞こえたが無視して走り続けた。
男集団の中に1人、黒髪で色白の男がいるとも気
づかずに…。
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作者名:神楽 | 作者ホームページ:http://uranai_kagura.jp
作成日時:2018年7月17日 18時