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「人魚なんて初めて見た…」
「俺もだ。多分、魚人島に行く以外に、こんな場所じゃなきゃそうやすやすとお目にかかれねぇよ」
ペンギンが隣でボソッと呟く。
オークショニアが、いくらから始めるかと会場を煽る。
周りの空気が一気に変わる。全員、絶対に人魚を手に入れてやると言わんばかりの顔で、水槽に入れられた女の子を見つめている。
「あれ…？ 何この音…」
「？ どうしたA。なんか聞こえるのか」
「そりゃあAならこの島全体の音聴きとるぐらいワケねぇだろうよ」
ざわつく会場の、外の、少し離れたところ。
何かが、近づいてくる。
「いや、なんか…羽虫？ みたいな…」
「はぁ？ 羽虫ぃ？」
「んなの何処にだっているだろ。気にするこたァねぇよ」
「うん…でも、やけに大きい…あと、男の人の叫び声も、一緒にちょっとずつ近づいてきてる」
少し声の高い、少年のような声。
なんだろう、少し気になる。
それから、この会場に入った時から感じる、微かな気配。
店の奥深く、多分捕らえられている奴 隷の気配なんだろうけど、本当に小さい気配だけど、只者じゃない、そんな気が感じられる。
そんな彼女の懸念は、
会場の中央、VIP席から放たれた声で、ぴしゃりと切られる。
「5億！！！」
会場の中に木霊したその、チャルロス聖の声で、客たちは全員固まった。
5億、なんて途方もない額、天竜人以外に、この場で即座に用意できるものはいない。
人魚を諦めるしかない、と肩を落とす客たちや、中には青い顔をして固まる人もいた。
あれは確か、麦わらのルフィの一味の人たちだ。
その中には、ボロボロと涙を流す、口が異様に長い男の人と、…ヒトデ？
何か、彼女と関りでもあるのだろうか。
ぱっステージに目を戻すと、水槽の中で、どんどんとその硝子をたたきながら歯を食いしばる人魚の女の子が目に入る。
水の中にいるから見えないけれど、きっと泣いてるんだろう。
きゅう、っと胸が締め付けられる。
天竜人に買われてしまえば、その先の未来なんて絶望しかない。
唇をかみしめて、思わず目を逸らした。
刹那、さっきからずっと近づいてきている音が、会場中に響いて、周りの人間も聞こえるくらいに大きな音で、会場の外、丁度真上から、
「ケイミィーーー！！！！」
大きな衝突音と共に、会場が大きく揺れて、あたりに砂埃が立ち込めた。
何が起きたか、一瞬分からなかった。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
