四十三話:シャボンディ諸島 ページ45
芝生の道の上を歩くたびに、ふわりと髪の毛が揺れた。
周りの景色は、そこかしこからぷくぷくとシャボン玉が浮かぶ幻想的な、まるでおとぎ話の中のような世界。
ここは、偉大なる航路の前半と、後半の新世界とのちょうど中間にある赤い土の大陸のすぐ傍に位置する島、シャボンディ諸島。島と言っても、この島は普通の島とは違い、ヤルキマンマングローブという巨大なマングローブの集まりで、偉大なる航路にある島のように、磁気を発していない。
新世界への海賊たち専用の裏ルート、魚人島に向かうためには絶対に立ち寄らねばならない。だからこの島には、過酷な偉大なる航路を潜り抜けてきた猛者たちが集まる。
特に、ローたちの同期は、世の中じゃ「11人の超新星」と呼ばれているそうで、何かと注目を集めている。
そういう事情で、この近くには、海軍本部がある。
のでローには、騒ぎは起こすなと釘を刺されている。
特に、天竜人には絶対にかかわるな、と。
言われなくたって、関わったら海軍大将が飛んでくるような輩に近づくはずもないのだけど。
超新星の海賊団の、ローを除く船長の手配書を片手に、Aは40番グローブを散策していた。億越えルーキーたちが11人もいること自体が珍しいらしくて、世間じゃ有名人。
ちなみに彼女の首にかかっている懸賞金は、3000万ベリー。船長様の2億には遠く及ばないが、結構頑張れているのではと自分では思っている。
それにしても、賞金一億越えのルーキーたちを「超新星」だなんて、誰が言い始めたのか。
「恒星が一生を終える時に起こす、大規模な爆発…だったっけ」
ずっと遠くにあるせいで、爆発の光がこの星にいる人たちに届いたときには、もうその星はこの世に存在しなくて、その命を散らすときに発した最後の爆発だけが、微かな光となって、人々の目にその生きた証を残す。
何億光年も離れた星は、もう存在しているかどうかもわからない。
そう思うとなんだか寂しい名前のようにも聞こえてくる。
まぁ期待の新星なんて言い方もするから、本来はそっちの意味なんだろうけど。
「あ、あった」
Aは目的の店を発見し立ち止まった。
ぎい、と店の扉を開くと、店主がこちらに目を向ける。
いらっしゃい、と年季の入った声が耳に届き、彼女はこんにちはと笑顔を向けた。
＊
BUMPの「Supernova」はイントロで泣けます。コラローで妄想すると涙が枯れます。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
