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「っつーわけで、これから二十四時間…つまり明日までAはそっとしておけ。話しかけたらこっちのメンタルがやられる」
ペンギンが、先ほどの本を皆に見えるように広げて説明する。
クルーたちは本の紙面を食い入るように見つめていた。
「…つまり、今のAに嫌われてるってことは、普段のあいつには好かれてるって、そういう理解で良いわけか？」
「そーいうこった。船長なんて、全力で拒絶されてたから、つまりは＿＿」
「シャチ、そこまでだ」
シャチのセリフはペンギンによって遮られる。
幸いにもローは彼のセリフは聞いていなかったようで、落ち込んだベポの方に行っているようだった。
この辺は、二人の問題であって、クルーたちが直接的に彼らをくっつけるのは暗黙の了解として禁止されている。
「みんなごめんよぉ…俺のせいで…」
「ベポ、起きちまったことは仕方ねぇ。明日ちゃんとAに謝ればいい」
「…うん…ありがとキャプテン…」
ようやく元気を取り戻したベポ。
すると、ひとりのクルーが、本を見つめながら、げ…、と声をあげる。
「キャプテン…一番不憫なのはAの奴みたいだぜ…」
そう声を掛けられて、ローは彼の指さす文字列を見つめる。
「『なお、この実を食べた後の行動は全て当人に記憶されたままである』…あぁ…」
『大抵の場合、自分とは真逆の行動をとったことが記憶に残されるため、精神的損傷が大きく残る。口にする際は注意が必要である』
心優しい彼女の場合、大切にしている仲間たちに酷く冷めた態度をとってしまったことを非常に気に病むであろう。その場合、効果が切れて正気に戻った明日の彼女が取る行動は、ある程度予測されうることになるが…。
・
翌日まで部屋に籠っていた彼女が、昼になった途端にどたどたと大きく足音を立てて船内を走り回っていた。
彼女が向かう先には、
「ベポぉ〜！！！」
何やらそわそわした様子でペンギンやシャチ、イルカに何かの激励をされているベポがいた。
涙を目に一杯貯めて、ボロボロと頬から零れさせながら、ベポに正面から抱き着いた。
「うぅ…A……Aだぁ〜！！」
「ベポ〜！！ ごめんね…！ 酷いこと言ってごめん…！！」
「俺もごめんよぉ〜！！ うわぁああん！！」
二人は身体を抱き合いながら、顔を涙でボロボロにしてびゃーびゃーと泣きじゃくった。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
