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後のことは海軍に任せ、ハートの海賊団はその島を出港した。
いつも通り、「ただの気まぐれだ」と言い残して。
後からニュースクーが届けてくれた新聞を見たら、捕まっていた人たちは無事に家族のもとへ返されたそうだ。その知らせを聞いて、ほっと胸をなでおろした。
しかもその新聞と同時に届いた、ローの手配書は、またもや金額が上がっていた。
数字なんて興味ない、と彼は言うけれど、クルーたちにとってはこんなにも喜ばしいことはない。
今はクルー全員で宴を開いている。前の島で狩った巨大なワニの肉のおかげで、大量に食糧が手に入ったからだ。
ポーラータング号の甲板で、八年前よりずいぶん増えたクルーたちが、お酒を飲んだり、Aの運んできた料理を食べたり、余興をして笑っていたり。
晴れやかな空に、騒がしい海賊たちの笑い声が響く。
そんな彼らにつられたのか、ツバメの群れが、優雅に船の上を舞った。
懐かしい誰かさんの声を、その風に乗せて。
「今、なんか聞こえなかったか？」
ローが、ぽつりとつぶやいた。
すぐ傍にいたベポとシャチ、ペンギン、それから丁度料理を運んできたAは、彼の言葉にうなずく。
「キャプテンもか？ 海の方から聞こえた気がしたけど…」
シャチは双眼鏡を目にあてがい、声のした方向を眺める。
が、特に何がいるわけでもない、ただ青い海が広がっているだけだった。
「近くに敵がいるとかはなさそうだけど…A、わかるか？」
「なんか、懐かしい声だった気がするな」
ベポとペンギンが呟いて、四人はAの方に目を向ける。
すると、彼女は、ただぼうっと海の方を眺めていたが、ふっと小さくその口元に笑みを浮かべた。
「A？」
「…元気にしてるよ、きっと」
ふいに呟いた言葉に、ベポたちは首を傾げていたが、ローは帽子を抑えて目深にかぶり、にやりと口角を上げた。
「あぁ、そうだな」
久しく会っていない、友人であり恩人の、ある老人の顔を思い浮かべる。
元気でいるだろうか、無理はしていないだろうか、町の人たちとうまくやれているだろうか、考え出せばキリがないほど心配事はいくつでもある。
会いたい、そう思わないと言ってしまえば嘘になる。
けれど、そんな気持ちに甘えて彼に会いに行ってしまえば、きっと彼は嬉しさを押し隠して怒るだろう。
本当の「自由」を見つけると約束したんだ。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
