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何やらきな臭い会話に怪訝に思って、男湯とつながる壁の上の方を見上げると、
湯煙の中で、その壁の向こうからにゅいっと何かが顔を出した。
言わずもがな、先の会話の主たちである。
右から、シャチ、ワダツミ、イルカ、そしてシノ。
丁度上を見上げたAと、それからハレと、四人の目が合う。
「「「あっ…」」」
「あ、A〜、ハレ〜！ おーい！」
「おにーちゃーん！ やっほー！ …あれ？ Aおねーちゃん…？」
ハレの身体を抱きしめるAはわなわなと体を震わせて、見る見るうちに彼女の顔は真っ赤に染まっていく。
「こんの、変態！！！」
彼女は傍に置いてあった洗面器を掴むと、シノ以外の三人の顔に向けてそれを投げつけた。
それは全て三人の顔にクリティカルヒット。
「そ、そういや、Aって、ちょー耳良かったんだった…」
「さ、さすが人体のツボに正確に針を投げる女だ…」
「なんでシノだけ…」
真っ赤な丸い痕が顔に残り、三人はシノが呆然と見つめる中、三人は後ろに落下していった。
「お、おねーちゃん？」
「っ、もう出る！！ 行くよハレちゃん！」
「えっ、お風呂浸からないの？」
ぷんすこしながら、Aはハレを連れて風呂場を後にした。
男湯の方からは、落っこちてきた三人を笑うクルーたちの声が反響していた。
全てを聞いていたローが後から入ってくるまでは…。
・
「「「ず、ずびばぜんでじだ…」」」
ローによって首をバラされ、さらし者にされた三人は、泣きながらAとハレにそう謝った。
未だに怒っているAは、拗ねながら三人の頬をグイッとつねってから腕を組む。
「三人とも、今日のお昼抜き」
「そんなぁ〜！」
「俺朝飯ちょっとしか食ってねぇのに！」
「ちょっと待て、シノだって共犯だろ！」
「シノくんはあんたたちと違って下心なんて無いの！」
Aはふいっと顔を背けると、そのまま厨房へ、昼食の準備をしに行った。
「自業自得だ。反省しろ」
「じゃあ止めろよペンギン！」
「馬鹿な事言ってねェで、明日の準備しとけ」
ローの鋭い眼光に睨みつけられた三人は、やっと身体を元に戻してもらい、彼の言う明日の準備にポーラータングへと向かった。
明日の準備とはつまり、出航のこと。
明日の朝、ハートの海賊団はウラジオ島を出港する。
少しずつ、別れの足音が近づいてきていた。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
