三十六話:船長 ページ24
「船長、ひでぇケガだな…」
「町まで歩けそうにねぇな…ベポ連れてくるか？」
「ああ、頼む…」
血を流しすぎて貧血気味のローは、かすれた声でそう頷き、背中を壁にもたせた。
そして、部屋の中央で黒焦げになって倒れているジークフリートの方に目を見やる。
「あいつも手当てしてやれ。まだ生きてるはずだ」
すると、急に、部屋の外から焦るような声と大勢の足音が聞こえた。
まさか敵か、と警戒して三人がドアの向こうを睨むと、そのドアから現れたのは
「A！！？」
「お、おまっ…動いて大丈夫なのか！！？」
肩で息をした、包帯やガーゼで治療されたAだった。
ローは目を見開いて彼女の方を見ると、ボロボロで血まみれのローを見た彼女は、同じように面食らって慌てて彼の方に駆けよってきた。
そんな彼女を追いかけるように、部屋の中に町の人たちが入ってきた。
「Aちゃん、まだ動いちゃ…！」
「そうだぜ！ 安静にしてなきゃ！」
が、そんな街の人たちの制止も聞かず、Aはローのもとへ走り寄って、滑るように傍に座り込んだ。
震える手で彼の頬を包む。
そしてぽろぽろと涙を流しはじめた。
「…なんで泣くんだよ」
「だってぇ……」
Aはすり寄るようにローの首もとに顔をうずめる。そんな彼女の頭を、彼はぽんぽんと優しくなでた。
「俺たちもしかして空気か？」
「そうみてェだな」
シャチとペンギン、それから町の人たちは、取り残されたまま、そんな二人を見つめていたが、いつまでもこんなことをしてるわけにはいかないし、ジークフリートやローは重傷だ。早く手当てをしなければいけない。
「ん"んっ…あー」
ペンギンがそう軽く咳払いをすると、我に返ったAは慌ててローの身体から離れた。
貧血気味で青白いローの顔とは裏腹に、彼女の顔は真っ赤に染まっている。
「ご、ごめん…」
「いいからお前は安静にしてろ」
「スミマセンデシタ…」
じろっとペンギンに睨みつけられて縮こまったAは、迎えに来た町の人たちに連れられて行った。
その後、ローとジークフリートは町の診療所で手当てを受け、ランボーや彼の一味は拘束され、後日やってきた海軍によって連れていかれた。
勿論ローは賞金首だし、ハートの海賊団は今の状態で海軍に見つかるとマズいので、町の人たちが匿ってくれた。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
