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「(肉の感覚が…ない…？)」
自分の持つ鬼哭から伝わるはずの、ローの心臓を貫いた感覚が、どれだけ深く刺しても伝わってこない。
ランボーは驚いて鬼哭を抜きその刃を見た。
べっとりと付いていると思っていたローの血がついていない。
どういうことだ、自分は確かに今この男の心臓を刺したはず。
面食らってローを見ると、彼はにやりと口の端を釣り上げた。
「悪いな。俺の心臓は、俺の仲間に預けてあるんだよ」
「…は？」
ローが、自分の服の破れたところをめくって見せる。
心臓があるはずの胸には、ぽっかりと四角い穴が空いていた。
「(ガッシェの心臓を抜き取ったのと同じ能力か…)
っち……んなモン関係ねェ！ 心臓なんか刺さなくても、血を大量に流せば人間は死ぬんだよ！！」
ランボーは、何度も何度もローの腹に向けて何度も何度も鬼哭を振り下ろした。
その度にローの口からうめき声が零れ、彼のパーカーが血塗れになっていく。
肉に刺さる感覚を柄から感じながら、ローの血で刃を濡らし、同じように彼の頬が赤く染まる。
「死ね、死ねよ…！」
狂ったようにそう叫びながら、段々とぐったりしてくるローに、これでもかと刃を振り下ろし続けた。
「さっさと死＿＿」
「それ以上、」
しかし、ランボーの手はその声によってピタリと止まる。
自分の首に、冷たい刃先があてがわれている。そう感じるのに少し時間がかかった。
「"俺たちの心臓"に、触るな」
「テメェの首が飛ぶぜ、爆弾魔」
両側から刀の刃が自分の首を挟み、ランボーはごくりと生唾を飲み込んだ。
ローは、少し青くなった顔で、にやっと口の端を釣り上げて笑う。
「っくそ…！」
ランボーはローの腹から鬼哭を引き抜こうとしたが、それはピクリとも動かない。
見ればローがその刃をがっしりと掴んでいた。
「逃がすかよ…
さぁ、治療の時間だ」
ローは刃を掴んだ方と逆の手の親指に、体の中に流れる微かな電気を集める。
バチッ
親指が青白く光り始め、
ローはその指を突き出すように、ランボーの腹に向けて放った。
「"カウンターショック"！！！」
体中に電気が流れ、ランボーはうめき声を上げながら、その場に崩れ落ちるように倒れた。
「よっしゃあ！！」
「さっすが船長〜！！」
シャチとペンギンは、倒れた敵の姿を見て少し固まり、
数秒後に、満面の笑みを浮かべてパンっと手のひらを合わせた。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
