三十五話:俺たちの心臓に ページ22
「なに？ まさかこいつを助けたわけ？」
ジークを守るように、ローはランボーの振り下ろす短剣を防ぐ。
そして刀の刃を振り、その短剣を吹き飛ばした。
「っ…もしかして、こいつの金が目的？ そんな言葉本気で信じてるんだ。
ピュアだねェ、トラファルガー」
「はっ、んなモン一銭もいらねェよ」
ROOMを展開したローは、鬼哭を振り上げる。
それを避けるようにランボーは後方に飛びのいた。
そして、指をパチンと鳴らしてローの目の前を爆発させた。
＿＿やっぱりな。
爆風を腕で遮りながら、ローは口の端をにやりと吊り上げる。
煙の中で含みのある笑みを浮かべたままのローが見え始めると、ランボーは怪訝そうに睨みつけた。
「何笑ってんだテメェ」
「…お前の能力、厄介だが、決定的な攻撃力はねェ」
「何っ…？」
ぴくり、と彼の眉がつりあがる。
微かに相手に焦りの色が見えた。
「お前が爆発を起こせるのは"空中"だけだ。それ以外も爆発させることができるなら、初めから相手の心臓でもなんでも爆発させて殺せばそれで終わり。
でもお前は、ポーラータングでも、誰かを直接爆発させることはしなかった。ジーク屋を殺そうとしたときも、お前は短剣を使った。
確かにお前の爆発は威力が上がると危険だ。至近距離で受けると致命傷になる場合もある。
だが、実際にお前はうちのクルーも、ジーク屋も、殺せてはいない。
つまり、相手を殺すには別の手段がいるってことだ」
例えばこの短剣とかな、とローは転がっていたランボーの短剣を拾い上げた。
ぴきり、
ランボーはこめかみに青筋を浮かべ、指をパチンと鳴らす。
またローの目の前で爆発が起こり、今までとは比にならないほどの威力に、ローは壁に向かって叩き付けられた。
「っぐ…」
「だからなんだよ。それはお前だって同じだろ。能力自体に俺を殺す力はない。
何が『死の外科医』だよ。笑わせんな」
衝撃を受けた腹を押さえながらケホッと咳を零す。
ランボーはローが手放してしまった鬼哭を拾い上げて、つかつかとこちらへ近づいてきていた。
「生憎、だな…俺は、テメェを殺す気なんて…端からねェよ」
「そいつはご苦労なこった、ドクターさん」
そして次の瞬間、鬼哭の刃は、ローの心臓に向けて、深く深く突き刺さった、
はずだった。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
