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「おいあんた！ Aがどこに居るのか知ってんのか！！」
「も、申し訳ない……私も今、彼女を探しているところなんです…」
男は虫の息で、苦しそうに顔を歪める。
それを見たローは慌ててその手を離した。よく見れば彼は手錠で拘束されている。
鬼哭を抜き、少し離れていろ、と忠告したのち、ローは彼の手錠を切り落とした。
「っありがとう…助かりました…」
「りょ、領主さま…！ なんでこんなところに…」
シノは驚いた表情でパタパタと駆け寄ってきた。
「その話は長くなるので、Aさんを見つけてから話しましょう…。首切りの男に、連れていかれてしまったんです…私に力があれば、助けられたのに……面目ありません…」
悔しそうに顔を歪めた前領主に、ローは口の中に広がる苦い味を感じた。
でもそんなことを言っている暇があるなら、早くAを見つけないと。
「たらればなんてどうでもいい。今はAだ。
ついて来られるな。行くぞ」
そう声をかけて、ローはまた、鬼哭を握り締めてシノを小脇に抱え走り出す。
痛む腹を抑えながら、前領主はローの後を慌てて追いかけた。
地下へ続く階段を駆け下り、見張りの海賊連中を全員切り刻んでいく。
前領主はその様子を見て顔を引きつらせていたが、シノが能力のことを告げると、青い顔のまま胸をなでおろした。
とあるドアを見つけた。
錆びついていて、部屋の奥から、石畳の廊下にむけて、少しだけ赤いものが垂れ出ている。
ローは息を整えながら、嫌な予感を胸に携えながら、そっと、そのドアを開いた。
ぎい、ときしんだ音がして、薄暗い部屋の中を覗くと、
はめ殺しの窓から差し込んだ月明かりに照らされて、部屋の様子が目に飛び込んでくる。
床には、鮮血が飛び散っていて、中央には見慣れた銀色が横たわっていた。
傷だらけの身体と、それに比例して破けまくった服、それから毛先が焦げたり、血で赤く染まったり、ぼさぼさになった髪の毛。
全身ボロボロで、腕は後ろ手に拘束されたまま。
さぁ、っと背中に這いずる、冷たいもの。
どくんどくん、と脈拍を上げていく心臓。
「A！！！」
慌てて彼女に駆け寄ると、薄く目が開いていて、自分の姿を見たら、血が滲み切れてしまっている薄桃色の唇が、ふわりと緩んだ。
そのまま、彼女は自分の腕の中でぐったりとしてしまった。
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
