二十八話:信じてるよ ページ1
「おーい！ Aー！」
廊下を歩いていると、シャチが現れて手をぶんぶんと振ってこっちに走り寄ってきた。
「シャチ！ もう終わったの？」
「あぁ、新しい情報が手に入った。次の作戦を考えるから談話室に全員集合だってよ」
行こうぜ、そう言ってシャチは談話室の方へと体を向け、Aは頷いてその後ろを追いかけた。
「それで、さ…あの人、ガッシェさんは、大丈夫なの？」
「へ？ あぁ、あいつね。別に死んじゃいねェよ。大した怪我もさせてねェし、船長と戦ってできた傷も手当てしたし、問題ねェって」
「そ、そっか。よかった…。あんまりひどいこと、しないであげてね…？」
歩きながらそんな事を話していると、シャチは合点がいったのか、あぁ！と手を叩いて、くるりとAの方に振り返った。
「船長のあれだろ。まぁ、あの瞬間だけ見てたAなら不安にもなるだろうけど、大丈夫だって。
あれは、お前のこと馬鹿にされたから船長が怒っただけだよ」
「へっ」
そうだったんだ、と呟いて、Aはだらんと腕の力を抜いた。
「にしてもお前は相変わらずお人好しだなー。まっ、そこがお前のいいとこでもあるんだけど」
「そ、かな…ローにまた甘すぎるって怒られちゃうかも…。みんなと一緒にいる資格、あるのかな…」
「はぁ〜、お前なぁ…本気でそう思ってんなら、あんなこと言わねェって」
「あんなこと、って…？」
こてんと首を傾げて尋ねると、シャチはにやにやと何やら含みのある笑みを浮かべて、倉庫での事を話してくれた。
あの後、聞きだせるだけ情報を聞き出したローは、縛り付けたままのガッシェに向かって、キッと強く睨みつけながら、
『Aはハートの海賊団のクルーだ。弱っちい女でも、奴 隷でもねェ。
信頼に値する俺の仲間だ』
そう怒気を含んだ声で言い放ったそうだ。
じんわりと胸の中に広がる暖かいものを感じた。
さっきまでシノとハレになぐさめられて、泣き止んだばっかりなのに、目頭がつうっと熱くなって、それを慌ててゴシゴシと拭う。
「それに、お前のそういうところ、俺もみんなも、何より船長が一番大好きだと思うぜ。
お前はそのままでいいんだよ。無理に背伸びしなくたって、お前がいれば俺らはそれだけで十分だ」
シャチの手が、ぽすっとAの頭の上に乗せられる。
「…ふふ、ありがと、シャチ」
「おうっ、やっぱお前は笑ってる方がいいな！」
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弥生(プロフ) - ブルーフェザーさん» ありがとうございますー！今ちょっとネットがない環境にいてコメント返信しか出来ない状況なので気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年4月17日 10時) (
レス) id: 0bb29c5719 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2021年4月14日 6時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！！評価トップバッター嬉しいです…！ (2020年12月13日 19時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - 祝、続編です！！ひとつめの高評価入れさせて頂きました。これからも頑張ってください！ (2020年12月12日 23時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年12月12日 23時
