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「着いたー！」
無人島を出発して一日、やっとウラジオ島に到着した。
島の雰囲気は、特に荒れた様子はなかった。もちろん、表向きは、だけれど。
「ベポたちは手分けして情報収集を頼む。それから補給もしておけ」
ローが指示を出すと、クルーたちは元気よく「アイアイキャプテン！」と返事をした。
そして、次々と島の中の街の方へと駆け出していった。
「A、シノ。行くぞ」
ローはAに鬼哭を持たせ、長い脚でずんずかと先へ進んでいった。
「うんっ」
Aとシノは、そのあとを慌てて追いかけた。
途中で疲れてしまったシノを腕に抱きながら、シノの案内で、三人は、妹ハレがいる場所へとやってきた。
賑やかな街の中にある裏路地を先へ進むと、地面に寄りかかって座り込んだまま、何かぶつぶつと呟いたり、時折奇声を上げたり、何かを探すように何もない地面を探っていたりと、堕落した人々がたくさんいた。
更に奥深くへ入っていくと、日の光が届かない、薄暗い道に出た。所謂、スラム街と呼ばれる類の場所。
古くなった家が連なっている。表の明るい雰囲気の街とは正反対のところだった。
通りを歩いていると、家の窓越しに、周りの人から視線を浴びる。
その目線がなんだか怖くて、Aはぴっとりとローに引っ付いて歩いた。
そしてやってきたとある古い家。腐りかけの木の扉は、微かに隙間が空いていて、ひゅうひゅうと風の音がする。
家の中は閑散としていて、使われていない暖炉がぽつんとあるだけの、寂しい部屋だった。
奥に一つだけ扉があって、シノは家の中に入るや否や、Aの腕から飛び降りてパタパタとその扉へと駆けて行った。
ローと二人でシノの後を追いかけてその扉の奥に入ると、光の差し込まない暗い窓の傍で、古いベッドで眠っている女の子がいた。
シノは彼女の傍に駆け寄って、額に手を当てたり、顔色を見たりと、心配そうにその少女を見つめた。
彼女がハレだ。
シノと同じ、焦げ茶色の髪の毛の、あまりにも肌の色が青白い、シノと同い年くらいの少女。
ローがスタスタと少女の傍に近づき、軽く様子を見て診察する。
Aも、持ってきていた薬の入った背負子を床に置いて、それを近くで見ていた。
「ど、どうだ…？ なおるか？」
シノは待ちきれずにローに尋ねる。
ローはしばらく難しそうな顔をしていたが、フッと顔を上げた。
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弥生(プロフ) - ももりーのさん» CV神谷浩史です笑 (2020年12月11日 18時) (
レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
ももりーの(プロフ) - 唐突なローランドにわらいました笑笑 (2020年12月10日 0時) (レス) id: 20ef572ecd (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 桃さん» コメントありがとうございます！あまりお待たせしないように頑張ります！！ (2020年12月7日 23時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - 毎日更新楽しみにしてます！新しく連載された方も読みました！どちらもお気に入り登録して楽しみに待ってます！！頑張ってください！ (2020年12月6日 14時) (レス) id: fd04f6af33 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！とても励みになります！！ (2020年12月2日 16時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生 | 作成日時：2020年11月27日 2時
