二十一話:初めての島 ページ19
「んじゃ、新しい仲間の歓迎を祝して〜！
かんぱーい！！！」
シャチがお酒…ではなくジュースをなみなみ注いだジョッキを高く掲げてそう叫んだ。
それに合わせて、皆もそのジョッキにかこんっと自分のものをぶつけ、乾杯！と繰り返した。
スワロー島を出航し、初めに辿り着いた島は、小さな村をなす島だった。
島の反対側にはもう少し栄えた町があるらしいが、そこに住む人々は、言うなれば富裕層の住人で、海賊やら旅人やらを歓迎する雰囲気はない、と村の人々が言っていた。
だから、島にはあまり海賊や船旅をする人々は来ない。ので、物珍しかったらしく、随分と歓迎された。
そこで出会った、村の少年、イルカが、ハートの海賊団に入れてくれと頼みこんできた。
ずっと海賊に憧れていた。だから、自分も航海に連れて行ってくれ、と。
親はいない。代わりに祖母に育てられたそうだ。
ローはイルカが仲間に加わることを許可し、初めての仲間が一人増えた。
テンションが上がったクルーたちは、速攻で宴の準備を始めた。
シャチやペンギンがませて酒を買おうとしたのでAは慌てて止めることになったのだが。
イルカはAと年が同じらしく、すぐに仲良くなった。海賊団の女のクルーが物珍しかったということもあったろうが、偏見もなく、女だからと見下すこともしない、イルカは優しい少年だった。
夜の暗い海の上にふよふよと浮かぶ、ポーラータング号のデッキに料理やら飲み物やらを広げ、たった六人でだったが、盛大に宴を開いた。
「ローさんは強ェんだ！ 俺たちがぜってぇローさんを…いや、船長を海賊王にして見せる！」
「うおおおぉ！！ ひとつなぎの大秘宝は俺たちが手に入れてやんのさ！」
「…みんな酔ってんの？」
酒飲ませた覚えないんだけどなぁ、と彼らの飲みものを見るが、酒のようなにおいはしない。ただのコーラやジンジャーエール。これが深夜テンションというやつか。
「この飯Aが作ったのか！ こんなうまいもん始めて食ったよ！」
「へへ〜、ありがと〜」
むっしゃむっしゃと口の中に食べ物を詰め込みながらイルカは頬をリスのように膨らませてシャチたちと余興としゃれこんでいる。
馬鹿みたいなことで爆笑して、腹を抱えて笑い転げたり、食べ物のことで喧嘩したり、皆がはしゃいでいるのを遠くから眺めたり、一緒に笑ったり、
結局みんな、甲板で寝落ちするまで宴を楽しんでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
弥生(プロフ) - ももりーのさん» CV神谷浩史です笑 (2020年12月11日 18時) (
レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
ももりーの(プロフ) - 唐突なローランドにわらいました笑笑 (2020年12月10日 0時) (レス) id: 20ef572ecd (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 桃さん» コメントありがとうございます！あまりお待たせしないように頑張ります！！ (2020年12月7日 23時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - 毎日更新楽しみにしてます！新しく連載された方も読みました！どちらもお気に入り登録して楽しみに待ってます！！頑張ってください！ (2020年12月6日 14時) (レス) id: fd04f6af33 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - めぐちさん» ありがとうございます！とても励みになります！！ (2020年12月2日 16時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弥生 | 作成日時：2020年11月27日 2時
