【ONEPIECE】Take Your Hurt【トラファルガー・ロー】 (ページ42)

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六人で暮らし始めて、あっという間にひと月がたった。
初めのうちは、慣れない共同生活に、家での仕事の分担なんかで諍いが怒る事もあったが、その度にAが仲裁したりして、一か月も経てば子供らはそれなりに上手く立ち回るようになった。

ローも、出会った頃の、触れるものすべて傷つけてしまう刃物のような様子から、少しずつ角が取れて、今ではベポたちと笑っている様子なんてしょっちゅうだ。

「よしっ、掃除完了！」

家の掃除も、ローが来るまで一人でやっていたが、四人が手伝ってくれるようになってからは…初めのうちは喧嘩ばかりでスムーズに進まず、手間が増えていたけれど…分担して掃除をするようになったので、今までより数十分ほど早く終わるようになった。
畑仕事も人数が増えたことで収穫や水やり、肥料まきなんかも効率よくなった。

その分、みんなでそろって手作りのゲームで遊んだり、勉強をしたり、体を鍛えたり、栽培している植物の世話をしたり、と
各々、やりたいことをする時間が増えた。

「A！飯！」

「腹減った！」

「肉！俺、肉がいい！」

掃除を終えたベポたちが毎度のごとくわちゃわちゃと騒ぎたてる。
Aはそんな彼らを見て、はいはい、と微笑みながらエプロンに手をかける。

「その前に皆、手、洗っておいで」

元気よく返事をしたベポたちは、そろって洗面所へ向かった。ローも彼らを後ろから眺めながらゆっくりとそのあとに続いた。

Aが台所に向かい、献立を考えつつ下準備をしていると、突然ドアが開いて、見ればローが台所へ入ってきた。
どうしたのかと尋ねる間もなく、彼は壁にかかっていたエプロンを着ながらこちらを見る。

「なんか手伝う」

「疲れたでしょ？座ってても良かったんだよ？」

まな板の前に立ち、その上に肉を置いて切ろうとしていたが、その手を止める。
ローはたまに、気まぐれでAの料理を手伝うことがある。どういう意図があるのかは定かではないが、得意な方ではない料理を手伝おうとしてくれる気構えが嬉しくて、Aはあまり気に留めていなかった。

彼にはほとんど基礎的なことを教えたので、こうやって手伝うと言い出さないと、二人で台所に立つ回数も少ない。来たばかりのころは仕事を教える過程でいろいろ調理方法を伝授したわけだが、まだつたないところはあるけどそれもほとんど覚えてしまって、今はシャチやペンギンに教えることの方が多くなった。