【ONEPIECE】Take Your Hurt【トラファルガー・ロー】 (ページ39)

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「お前ら親はどうしたんだ？」

ド直球すぎる聞き方だとも思ったが、回りくどい言いかたをしても面倒なだけだとローは二人にそう尋ねた。

びくり、と二人の肩が揺れた。けど二人は静かに
二人の両親ともに、半年前に亡くなったと、そう教えてくれた。

辛かったろうが、その時の事を話してくれた。浜辺に遊びに来ていた家族たちが、高波にのまれて溺れ死んでしまったと。二人は少し離れたところで木登りをして遊んでいたから命は助かったけれど、結果的に孤児になってしまったわけで、
それから彼らは共にシャチの叔父と叔母のもとに預けられたのだという。

その叔父叔母は、見てくれはただの成金で実業家という風貌だが、裏では犯罪に手を出して金をせしめている奴ららしい。
そしてその犯罪…宝石などの高額な商品の窃盗や、武器やヤクの密輸など…を無理矢理手伝わされていたことや、まともな食事も与えられなかったことなどを、苦い顔をしながら話してくれた。

ローは眉間にしわを寄せて、見るからにいらだった様子で話を聞いていた。
Aは俯きながら、拳を強く握りしめていた。二人とも何も言わなかったが、その目には確かに怒りが宿っていた。

ペンギンは泣きながら、生きてる意味が分からない、と叫ぶ。
それに寄り添うように、シャチは俯くペンギンの傍に座った。

「あんたたちが助けてくれなかったら、俺たちはあのまま死んでた。助けてくれてありがとう…！それと…」

そして少し気まずい顔をベポに向けて、深呼吸の後に口を開く。

「白くま…お前、俺たちが動けない間、ずっと世話してくれてたよな。お粥食わしてくれたり、リハビリ手伝ってくれたり…どれだけ感謝の言葉を並べても足りねェっ！」

「い、いいよ、そんなの…怪我してるやつがいたら、助けるの、当たり前じゃんか」

「当たり前なんかじゃない！俺は、俺たちは、お前をいじめた人間だ。そんな奴らに優しくできるなんて、当たり前のことじゃない！」

シャチも、ペンギンも、そろって深く頭を下げた。

「白くま…いや、ベポ。助けてくれてありがとう。それから、勝手な八つ当たりで酷いことして本当に、悪がったっ！ごめんッ！！」

ベポが気にしないいでくれよと言っても二人はずっと頭を下げて泣いていた。

「ええと…A、だっけ。お前も助けてくれてありがとう。飯美味かったし、リハビリも…」

暫くして顔を上げた二人は、今度は彼女に向かって同じように頭を下げた。