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「なんじゃ、信用できんというような顔じゃな。ちょっと待っとれ」


ヴォルフは、どっこいせと立ち上がって、リビングを出て行ったので、Aは手伝いをするために同じく椅子から腰を上げた。
ローは立ち上がった二人を見つめてまだ訝しんでいた。


物置部屋にまとめて置いてあるヴォルフの発明品をいくつか箱に突っ込んで、二人で手分けしてその箱を抱えると、すぐにリビングで待つローのもとへ戻った。


「出血大サービスじゃ。ワシの偉大な発明品のいくつかをお前に見せてやろう! まずはこれ!」


ガサゴソと箱の中身を探り、ドヤ顔でローの前にそれを披露する。名前を『どこでも温泉くん一号』という、風呂場にある湯沸かし器の劣化版だ。


「これがあれば、冷たい水でも一瞬で熱湯に早変わり! 薪を燃やして風呂を沸かす必要もないというわけじゃ!」

「おおっ……」


いかにもな説明に、少なからず食いついたロー。少しだけヴォルフを見る目が変わった、が


「ただし、一つ欠点があってな。適温で止める機能がついてないから、湯があっという間に沸騰し、全部蒸発してしまう」

「ゴミじゃねェか!」


それは直ぐに撤回される。
ローの的確な突っ込みに、Aは苦笑いを浮かべながら二人を見つめた。
もっと凄いものもあるんだからそれを見せればいいのに、どうしてこの人は…と呆れ半分でため息をつく。


「待て待て待て! これで終わりじゃないわい。次はこいつじゃ!
『スーパーお掃除くん三号』! ゴミや汚れに反応して動き、放っておいても家を綺麗に掃除してくれる優れものじゃ!」


次に取り出したのは、平たく丸い形の機械。彼がそれを見えるように床に置くと、さっきの欠陥品によって一気に信用度を下げたらしい発明家としてのヴォルフに、ローはあまり期待していない様子で相槌を打つ。


「ただし一つ欠点がある。三分以上稼働させると、この家を吹き飛ばすほどの威力で爆発する」

「欠点どころじゃねェだろ! ガラクタ以下じゃねェか!」

「…それ絶対家の中で使わないでね」


その様子を想像するだけでぞわぞわっと鳥肌の立つ話だ。怖くなって、そう念を押しておいたが、本当に大丈夫だろうか。


「ちなみに、改造前の初代『スーパーお掃除くん』は、ゴミとゴミじゃないものを区別できなくてな。危うくワシの右足が食いちぎられそうになったことも…」

「やめろ! ぐろい!」


「…使わないでね?」

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弥生(プロフ) - あ ま ね 。さん» ありがとうございます!頑張ります…!! (2020年12月2日 16時) (レス) id: 02a09e0452 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - とても面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2020年12月1日 6時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弥生 | 作成日時:2020年10月12日 2時

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