ヒロインの席は一つだけ_【MHA】 (ページ8)

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私が悪役ページ8

「逃げれなかったのも足くじいたのもおめーのせいだろうが！！！んでみんなにあたんだよ！！！」

違うよ、違うんだよ。

「桜だってなんも悪くねえじゃねえか！！！！」

「お前の自業自得だろお！？？」

『ちがう！！！！！』

いや、そうだよ、そうなんだよ。

『私は桜には怒ってない！みんなにも当たってない！！！本当の事言ってるだけじゃん！！
確かに恵まれない人間の妬みだと思われるかもしれない！！
でも、ひどいよ。
助けられたじゃん、私のこと。
なんで助けてくれなかったの。私が脇役だからでしょ。
ヒロインは桜だからでしょ。
そうなんでしょ。
実際きっとこれは嫉妬、妬み、恨み以外のなんでもないよ。
ヒーロー志望のやつらが私を助けてくれなかったことが憎い。
私の方がひどい怪我をしてるのにみんな桜を心配するのが羨ましい。
すべて、私が悪いことも、知ってる。
ただ、誰かに支えてもらいたかった。抱きしめてもらいたかった。
温もりが欲しかった。
どんな理由でもよかったから助けられたかった。』

涙が止まらなくて、あしにちからがはいらなくて、すわりこんだ。

『ずっと、我慢、してきた。』

床に手をついて、俯いた。

『でも、我慢って、当たり前だって今知った。
私みたいな人間は、我慢しなくちゃ。』

っていっても、

どんだけ悲しさを言っても、

だれも、抱いてくれない。
ハグしてくれない。
包み込んでくれない。

私は脇役に過ぎなかった。

『ヒーローが人を差別してたら意味なくない？
誰を助けるとか言ってたら意味なくない？

もう、あんたらヒーロー失格じゃん』

顔を上げてみんなを睨んだ。

みんなは目を見開いて、ビクッと肩を揺らしてた。

『……もういいよ。もういいよ。』

涙をふいて、立ち上がった。
ドアに手をかけて、振り返った。

それで笑った。

『脇役は、おさらばしますね。』

ああ、まるで私、

悪役みたい。