【コンパス】異能力：コンパス【文スト】

リリカちゃん ページ31

『リリカちゃん！』

倒れているリリカちゃんのもとに戻る。
頭から血を流して苦しそうだ。

『ど、どうすれば……！』

怪我の手当なんかしたことないし、治癒のカードももってないし。
なんも出来なくて、でもしてあげなくちゃいけなくて。
苦しんでるリリカちゃんを見ていることしか出来なくて。

『……っ！』

ギュッとリリカちゃんを抱きしめる。
このままじゃ、このままじゃ死んじゃう。
急がなきゃ、なんかしなきゃ。
どうしようどうしようどうしよう。
リリカちゃんを抱きしめる力が強まる。

『……？』

すると空中に4枚のカードが現れた。

……リリカちゃんのデッキ！？

え、自由に出せるようになってるの？
っ！ガブリエルあるじゃん！

私はリリカちゃんのデッキからガブリエルを手に取り、リリカちゃんちゃんにかざした。
すると黄色の光がリリカちゃんの体を包んだ。
そしてゆっくり目を開くリリカちゃん。

リリカ「……Aちゃん？」

『リリカちゃんっ！』

ギューッと思い切り抱きしめる。
よかった、よかった！

リリカ「苦しいよおAちゃん……。あれ、私どうして……あっ、あの人はどこへ！？」

『あの人って……あの、男？男ならもうどこかへ行ったわよ。』

リリカ「よかっ、た……Aちゃん、怪我してない？大丈夫？」

ふわりと微笑むリリカちゃん。
きっとリリカちゃんは私が「大丈夫」と答えるのを待っているのだろう。
でも、……

『……大した怪我はしてないよ。お腹を殴られただけ(ニコッ)』

リリカ「！？うそ！な、なんで！」

起き上がり私を見つめるリリカちゃん。
私はニコッと笑いながら言った。

『リリカちゃんを守るために頑張ったよ、私。初めてバトル以外で戦ったんだよ。
……頑張ったんだよ、わた、し＿』

すると目の前が暗くなっていく。
あ、れ？体、力はいんなっ

リリカ「Aちゃん！！！！！」

プツンッと目の前が暗くなり、意識が途切れた。


リリカちゃんが叫ぶの、初めて聞いた、な。

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