41話 ページ12
東と諏訪にそう言ったにも関わらず、添木は三雲のところへ行くことができていなかった。
三雲が遠征の事を記者会見で話した結果、電話や取材、入隊希望者が増えた。また、侵攻後のメンタルケアの仕事もあった。
そのため、添木はそれらの対応に追われており、時間が全くなかった。
B級ランク戦が始まってしまった頃に漸く一息つくことができた。
玉狛第二はROUND1で他隊を圧倒して勝利を収め、一気にB級中位となった。
ランク戦の勝利の祝福と共に三雲の様子を見に行くことにした。
ピンポーンっ
?「はーい!」
扉が開くとそこにいたのはA級玉狛第一隊員の小南桐絵であった。
添木「こんにちは、小南さん。用があってきたんだ。これ、良かったらみんなで食べてね。」
小南「添木さん!本当に久しぶりです!ありがとうございます!上がって下さい!」
小南と添木はリビングに足を進めた。
?「小南先輩、お客さんですか?」
小南にそう声をかけたのはA級玉狛第一隊員の烏丸京介だった。
添木「こんにちは、烏丸。久しぶりだね。」
烏丸「!お久しぶりです。どうして玉狛に?」
添木は偶に玉狛などの支部にも顔を出すことがある。
本当にいろんな場所に現れるのだ。
添木「玉狛第二の勝利祝福と三雲の様子を見にね。
三雲の前に烏丸、ちょっと俺と話そうか。」
他の隊員たちはランク戦が終わったばかりでまだ本部にいた。
添木と烏丸は玉狛の屋上に行った。
添木「三雲のこと、気にしているんだね。」
烏丸「…三雲は俺の弟子なので怪我をしたのはやっぱり気にします。
迅さんの予知では俺は三雲の未来を変える位置にいなかったみたいで。何もできなかったのが悔しいです。」
烏丸はいつものポーカーフェイスを歪め、苦々しく言葉を紡いだ。
添木「…最後の方にかなり粘って攻撃をしていたと聞いたよ。烏丸にとってその戦いは全力だったんだろう?」
烏丸「はい、もちろんです。」
添木「なら、それ以上はどうしようもないね。
烏丸にとっての最善の行動をした結果、雨取さんは助かったし、三雲は怪我をしてしまった。
じゃあ、最善の行動ではなかったら?
雨取さんは連れ去られて、三雲は亡くなっていたかもしれない。
今回、最善を尽くして2人とも生きているんだ。良く最後まで戦ったね、烏丸。お前の行動は弟子を守ることに繋がったはずだよ。」
添木は烏丸に優しく微笑む。
烏丸は心の重しが軽くなったように感じ、表情が和らいだ。
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ヴィー(プロフ) - あきさん» コメント嬉しいです。どんどんお願いします!これからもよろしくお願いしますね。 (2022年3月9日 21時) (レス) id: e2f184a550 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィー(プロフ) - あきさん» コメント遅くなってしまいすみません。米屋くんとのオチを考えたのですが、なかなか思い浮かばず…。私が書くのは難しいかもしれません。すみません。できる限り考えたのですが…。 (2022年3月9日 21時) (レス) @page13 id: e2f184a550 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - これからも更新楽しみにしています。(文字数の関係で二つ投稿してしまいました。通知を多くしてしまい申し訳ありません。) (2021年5月5日 23時) (レス) id: a201a62570 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - コメントにて失礼いたします。話がとても面白くて読みやすいので好きです。オチなのですが私は米屋くんが好きなのでもし可能であれば米屋くんオチを読みたいです。オチアンケートから時間が経っているのでもし無理であれば無視していただいて構いません。 (2021年5月5日 23時) (レス) id: a201a62570 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィー(プロフ) - みこみさん» 分かりました。やや恋愛要素はあるかもしれませんが、告白なしで、誰とも付き合わないまま進めていきますね。ありがとうございます! (2021年3月3日 2時) (レス) id: 165a850c32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヴィー | 作成日時:2021年2月23日 10時