[オリジナル]別れの時まで[恋愛] (ページ13)

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第12話ページ13

いつの間にか三月になってしまった。

いつの間にかアルバム委員になってしまった。

「なんで私が、こんな目に」

会議室までの廊下を歩きながらぼやく。

委員を決める時に居眠りしていたからだということは分かっている。

でもこんなめんどくさい役目を私だけに押し付けるなんて、クラスのみんなは薄情者だ。

田儀も『彼ピッピと約束があるから』とか言って帰ってしまった。

と、言うわけで、アルバム委員の集合場所である会議室のドアを開ける。

「失礼しまーす」

悠がいた。
と言うか悠しかいなかった。

「え」

私の声と悠の声が重なる。

うちの学校の３年生は2クラスしかない。
アルバム委員はクラスに1人｡

「まさか、Aもアルバム委員？」

「うん」

詰まりは、このふたりでアルバムの大半を作り上げるということだ。

私も悠も、お世辞にもそういう能力があるとはいえない。

しかも、この狭い部屋に二人っきりで作業しなければいけないなんて･･･

「やりやがったな田儀」

「田儀？」

しまった。小さな声で言ったつもりが聞こえていたみたいだ。

「や、何でもない。作業しよっか」

「アルバム委員って何すればいいんだろ」

「え、あんたそれも分からずにやろうと思ったの？」

「ちげぇよ。寝てたら勝手に決められたんだよ」

「私もだわ」

「まじか。お前何やればいいかわかる？」

アルバム委員の仕事は、主にアルバムに載る写真選びと、レイアウトの作成、修正、フリースペースのデザインだ。

うちの学校は、マジで規模が少なく、しかも近所に写真屋が無い。

なので、取り敢えずまっさらなアルバムを生徒分(42個)用意して、私達がサンプルを作り、先生方が複製する。というのが大まかな流れだ。

フリースペースとは、まあクラスの色んなことをテキトーに書いとけばいいやつだ。多分。

「フリースペースの説明雑すぎねぇ？この紙」

「何年か前の卒業生が書いたんだって。先生が言ってた」

「てか、俺らこんなにやることあるわけ？」

「そだね。取り敢えず写真選ぼー」

写真の山から少しずつ取捨選択する。

「見て、この写真懐かしくない？」

「お、女子の修学旅行の写真あるぜー」

「ヤラシイ目で女子の胸元を見ない！」

この作業が、最初は楽しかったのだか。

「あと何枚？」

「あと32枚･･･選ばないと」

「残りの写真は？」

「182枚……」

飽きた｡