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扉を開けようとすると小野木が山之内を急かすような声が聞こえた。
慣れない山之内を急かすなよ…。
「ありがとう小野木！」
扉を開けると山之内が弦を弓に張り終えて嬉しそうにしてる。よかった、よかった。湊の前を通ろうとすると腕に鋭い痛みが走った。
「いっ……！？」
山之内が駆け寄ってくる。
「ごめん！！腕に当たったよな？痣になってない？」
袖を捲ろうとする山之内に体が強ばった。
袖の下には一昨日の痣があるのだ。もともとの怪我すら自分のせいだと山之内は思い込んでしまう。咄嗟に一歩後ろに下がると、わっ、と言う声。そうだった、湊が後ろにいたの忘れてた。
「ごめん湊。」
「いいよ、Aの方が心配なんだけど…。…それより遼平、もっと周りに気をつけろよ。弓は危ないんだからさ。」
「うん…A、本当にごめん…。」
「近くを通った私も悪いから気にしないでよ。」
「んなわけねぇよ、女子に怪我させるとか…。」
「A、大丈夫？…小野木も初心者を急かすのはどうかと思うよ。」
「は？」
静弥くんも寄ってきて雰囲気が悪くなり始めた男子から逃げるようにそそくさと女子の元へ退散する。
「大丈夫？痛そうな声出てたけど…。」
「ぜんっぜん大丈夫さ、花ちゃん。みんな心配しすぎだよ。」
「わたくしを庇った時も怪我したのですよ？心配なるのは当たり前ですわ。」
あはは、と笑ってやりすごす。妹尾の視線が痛い。おもむろに妹尾が私の腕に手を伸ばす。
「A、袖を捲」
「おーい、弓道部員集合。今日はちょっと面白いことするぞ。」
これこそ鶴の一声。マサさんのおかげでバレずにすんだ。
「ずばり模擬試合だ。本番と同じ5人立ちでやろう。県大会予選も近いしな。」
「女子は個人戦だけだし、人数も足りないよ？」
私が首を傾げるとマサさんは扉の方を見やる。
「今回は……"鬼の射手"がいる。」
え？と全員が思うと同時に扉が開いた。
そこにいた人物は、私より背が低く、腰を曲げた老人。
「わしのことじゃ。」
場が静まり返る。
だって…ねぇ？鬼なんて欠片は1つもない朗らかな爺さんだもん。
準備運動を始めるトミー先生を皆は黙って見つめていた。
「森岡先生の射が見られるなんて滅多にないぞ。みんな喜べ。」
中学の頃の私の試合を見ていたような人だ、弓に熱心だからきっと凄腕のはず。
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ぴぴるぴー(プロフ) - 番犬ｽﾞはこれからも活躍をしてもらいます(笑)文に関しては雑にならないようにしていたので綺麗と言われて安心しました…！ありがとうございます（*^^*） (2018年12月24日 13時) (
レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 綺麗な文章で読んでいて気持ちいいです！番犬最高。これからも応援しています。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: af3085a075 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴるぴー(プロフ) - ありがとうございます！主人公には私が弓道で注意していることをそのままやってもらってます(笑)。更新忘れないように頑張ります〜！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
四郎(プロフ) - 私も今部活で弓道をしているので、主人公の凄さっぷりがよく分かります！！的中連発とかいつかしてみてぇ…。更新頑張ってください！！ (2018年12月1日 2時) (レス) id: 6e9081cabc (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴるぴー(プロフ) - そう言ってもらえてとても嬉しいです(´･･`)張り切りすぎて画面割らないように気をつけます！ (2018年11月26日 1時) (レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴるぴー | 作成日時：2018年11月19日 1時
