閑話_山田と恋心。 ページ22
週番だから七緒を置いて先に学校に来た。部活生が朝練をしているような時間のためあまり他の生徒を見かけない。
こんな時間でも矢田は来ているんだろう。
矢田は必ず教室には一番最初に居る。
二人も姉がいると女子が準備するのに費やす時間など目の当たりにしてきたものだ。同じ女子の矢田がどうやったらあんなに早く学校に来れるのか。
靴を脱いでロッカーを開けると、同時に他のロッカーが開く。
「山田ー、はよ。」
「っ！？お、小野木！？」
声をかけると大袈裟に山田の肩は跳ねた。
なんだ？
疑問に思って山田を見ると必死にロッカーの名札を見せないようにしている。確か、この列のロッカーは、
「そこ、矢田のロッカーじゃね？お前のその隣だろ？」
山田はだまってしまった。どこか様子がおかしい。
「山田？」
口をぱくぱくさせて何かを言おうとしている。……あ、もしかして、あれか。ラブレターとかそうやつを入れようとしてたのか。
「ごめん、ふれたら悪かったな。」
「あ、えと、うんあああ、まあ間違ってはないけど…。小野木、見ろよこれ。」
赤くなりながらもしかめっ面で矢田のロッカーの中を指指す。
「は…！？何だこれ…。」
矢田のロッカーにはお菓子のゴミやら葉っぱやらたくさん入っていた。
「確かに…矢田さんに告白しようと思って手紙を入れようとしたらこんな風にゴミが入っててさ。｣
「誰がこんなこと。」
｢不思議に思って毎日見たら入ってるんだぜ？とりあえず皆には黙って捨ててるけど。多分、如月のファン辺りだなぁ。」
告白どころじゃないわ…とため息をつく山田。しかし、俺は知らない誰かに怒りを抱いていた。
「矢田には言った方がいいか…?」
俺はあいつに伝えた時を想像した。きっと、悲しそうに笑ってやり過ごすんだろう。矢田が説明会のとき、矢を離せずにいたのは女子があいつを悪く言ったのが聞こえてたから。
「いや、俺たちだけにしようぜ。あいつ意外と涙もろいし。」
「分かった…遼平と同じこと言うんだな。」
「え、遼平も知ってんのか！？」
「俺と遼平と矢田は同じ中学から来たんだよー。いつもセットでいたんだぜ？」
知らなかった、ついてまわってるだけと思っていた。まるでゴールデンレトリバーのような大型犬のように…。
「三人で犯人見つけような！」
山田は真剣な顔だが目の奥は優しく矢田のことを想っていた。
こんなやつに好かれて矢田は幸せだな。…ちょっと複雑だが。
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ぴぴるぴー(プロフ) - 番犬ｽﾞはこれからも活躍をしてもらいます(笑)文に関しては雑にならないようにしていたので綺麗と言われて安心しました…！ありがとうございます（*^^*） (2018年12月24日 13時) (
レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 綺麗な文章で読んでいて気持ちいいです！番犬最高。これからも応援しています。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: af3085a075 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴるぴー(プロフ) - ありがとうございます！主人公には私が弓道で注意していることをそのままやってもらってます(笑)。更新忘れないように頑張ります〜！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
四郎(プロフ) - 私も今部活で弓道をしているので、主人公の凄さっぷりがよく分かります！！的中連発とかいつかしてみてぇ…。更新頑張ってください！！ (2018年12月1日 2時) (レス) id: 6e9081cabc (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴるぴー(プロフ) - そう言ってもらえてとても嬉しいです(´･･`)張り切りすぎて画面割らないように気をつけます！ (2018年11月26日 1時) (レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴるぴー | 作成日時：2018年11月19日 1時
