閑話_君にきづいた。 ページ11
中学県大会の団体戦男子の部決勝は幕を閉じ、僕達は女子の部の決勝を見ていたため観客席にいた。
「今年の決勝はレベル高いな。両校とも的中率がいい。」
「特に公立校の落がずば抜けてんなぁ。」
周りの声がよく聞こえる。
弓道部がある公立の中学校は珍しい。その公立校が決勝にでるのは初めてらしく、誰もが注目していて僕もその内の一人だった。
ﾊﾟﾝｯ
「「よしっ！」」
矢は的の中心近くに中る。
長い会の後のあとに3本目の矢も的中したのは、公立校の落である人物だった。
背中へ流れる艶のある黒髪とは対称的に、袴から出る首や腕は雪のように白くて容姿端麗という言葉が相応しい。凛とした立ち姿だが、少女らしいまだあどけない雰囲気、間違いなくかわいい。
「なぁ、今の人の弦音綺麗だよな。」
「竹弓だからひきたつのかな。それにしても竹弓を僕らの年齢で使うのはめずらしいね。」
僕らはちらりと愁見た。彼も竹弓を使っているのだ。
隣の湊と言葉を交わすと、湊はまた彼女の弦音を聞き入っている。愁なんかは体を乗り出してまで凝視している。どうした。
彼女は昨年の新人大会で1年生だが個人優勝していたはずだ。彼女は今日はほとんど皆中だったのでこの決勝でも皆中だと誰もが思っていた、が、
ﾊﾞﾝｯ
会場がざわめく。彼女の最後の矢は弦切れにより矢道に落ちたのだ。
__9対8で××中学の勝ち…__
公立校は涙を堪えながら退場するが、彼女の顔は呆然としたままだった。
「すごかったな女子の決勝！」
「当てたら当て返す試合ではらはらしたー。」
控え所に戻っている間も、みんな先程の試合の話をしている。しかし隣の湊は苦虫を噛み潰したような顔。愁は何かを探すようにキョロキョロしている。
その時、離れた位置の自販機に先程の彼女の横があることに僕は気づくが、他の人は気づいてないみたいだ。
「どうせあの子は明日の個人戦で出場するし、来年もあるからいいよな。」
「先輩は最後の大会で悔しいだろうに。」
この距離では僕らの同級生の話は聞こえないはず…と思ったが彼女は勢いよくこちらを振り向いた。
「あのさ静弥、さっきの試合どうもすっきりしない…って静弥？どこ行くんだよ？」
「ごめん湊、トイレって言っといて。」
「は？っておい！」
走り出した後ろ姿を追いかける。
別に友人でもなんでもないけど、でも、ひかれるものがあった。
頬を流れる涙を止めたい、ただ、それだけだ。
______
シリアスッ！苦しい！求むギャグ！
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ぴぴるぴー(プロフ) - 番犬ｽﾞはこれからも活躍をしてもらいます(笑)文に関しては雑にならないようにしていたので綺麗と言われて安心しました…！ありがとうございます（*^^*） (2018年12月24日 13時) (
レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 綺麗な文章で読んでいて気持ちいいです！番犬最高。これからも応援しています。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: af3085a075 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴるぴー(プロフ) - ありがとうございます！主人公には私が弓道で注意していることをそのままやってもらってます(笑)。更新忘れないように頑張ります〜！ (2018年12月1日 21時) (レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
四郎(プロフ) - 私も今部活で弓道をしているので、主人公の凄さっぷりがよく分かります！！的中連発とかいつかしてみてぇ…。更新頑張ってください！！ (2018年12月1日 2時) (レス) id: 6e9081cabc (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴるぴー(プロフ) - そう言ってもらえてとても嬉しいです(´･･`)張り切りすぎて画面割らないように気をつけます！ (2018年11月26日 1時) (レス) id: cd72a96e39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴるぴー | 作成日時：2018年11月19日 1時
