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あまり乗り気でないAさんをなんとか丸め込んで俺の家へと向かった。

途中、タクシーの中でわずかに触れた腕や、Aさんが好んでつけているCHANELの5番の香水が鼻腔をくすぐってまるで中学生男子のように胸の動悸が激しくなった。

年上の彼女に子供だと思われたくなくて必死にスマートな男性ぶってみたりしたけどよく考えたらこの人って普段亜嵐さんとか涼太さんとか見慣れてんだよな笑

無駄に気取るのもやめて彼女を部屋に入れると珍しく緊張で固まっている。

俺の家に好きな人がいるというこの状況に俺の理性が悲鳴をあげ始めたのでお酒とってきますねとキッチンに逃げた。

「ヤバイわ。俺、生きていられるかな・・・。」

真面目に心配になってくる。

深呼吸して臣さんからいただいたワインとグラスを二つ持ってリビングに戻る。

乾杯と、グラスを合わせたときの彼女の表情がなんとも色っぽくてまた胸が鳴る。

そんなとき不意に彼女が口にした、好きという言葉。

思わず聞き返してしまった。

彼女はそんな俺に眉ひとつ動かさずこのワイン美味しいね。こういう味好きっと笑う。

一瞬期待した自分がバカみたいだ。

美味しい美味しいと赤くなってきた頬を抑えながらワインを飲むAさんを目を伏せるふりをしてそっと盗み見た。

背中までの艶々とした綺麗な黒髪。

手入れの行き届いた透き通るように白い肌。

長い睫毛に縁取られたややつり目気味の大きな黒い目。

思わずキスしたくなってしまうようなぷっくりとした薔薇色の唇。

T-シャツやホットパンツからスラリと伸びる長い手足。

ダンスのプロだと一目でわかるような引き締まった筋肉。

どこをみたって完璧じゃないパーツなんてどこにもなくてなんて人を好きになってしまったのだろうかと小さくため息をつく。

ましてや相手は尊敬する先輩。彼女は自分が後輩にそんな目で見られていたなんて知ったらどう思うだろうか?怒らせてしまうかもしれない。

でも。

俺は覚悟を決めて彼女をじっと見据えた。

俺のただならぬ雰囲気に圧倒されたのかAさんは動きを止めた。

さよなら、俺の初恋。

腹を括って口を開いた。

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- 雨さん» こんばんは。コメントありがとうございます!更新頑張っていきたいと思っていますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年6月29日 22時) (レス) id: ce446c625f (このIDを非表示/違反報告)
- おはようございます(*^^*) はじめまして。いきなりすみません...。 物語一気に読んじゃいました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2020年6月28日 8時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年6月2日 19時

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