# ページ7
「どうぞ。」
壱馬の家は白と黒のモノトーンを基調とするモダンな雰囲気だった。
「お邪魔します。」
彼の綺麗好きな性格がよく出た部屋になんだか柄にもなく緊張した。
「そんなに固くならないでください笑」
お酒持って来ますねと彼がリビングルームをあとにし静寂が訪れた。
私はどうして呼ばれたの？これからなんの話をされる？
尽きることのない不安を追い払うように吐息をついて買ってきた料理を机の上に広げていく。
「あ、すいません。ありがとうございます。」
「いいのいいの。」
彼が持ってきてくれたワイングラスにワインを入れてカチリとグラスを合わせた。
「乾杯。」
「お疲れ様です。」
「壱馬もね。」
ワインの芳醇な香りが口にいっぱいに広がり鼻から抜けていった。
「このワイン美味しいね。」
「これ、頂き物なんですよ。こないだ、臣さんと宅飲みしたんですけどその時に臣さんが持ってきてくださって。」
「そうなんだ。臣さん流石だな。」
「本当に。」
嬉しそうに頬を緩ませる彼を見て、ああ、と思う。
「好きだなあ。」
「へっ？」
え、口に出てた？
嘘、どうしよ。
大人になるというのは怖いものでそんな内心とは裏腹に私は顔色一つ変えないまま口からはスラスラと言葉が出てきた。
「いやこのワイン美味しいなあって。こういう味好き。」
危ない危ない。
無意識って怖い。
そう思いながらそっと壱馬を盗み見る。
小さな顔にパッチリとした二重。長い睫毛。筋の通った鼻。真っ赤な唇。漆黒の髪。
100人いたら100人がイケメンだと答える顔だろうと思う。
なんで彼を好きになってしまったんだろう。
絶対に叶うはずがない、叶えてはいけない恋なのに。
そういえば、ランペの曲に叶わない恋をテーマに歌った失恋ソングがあったなあ。
あの曲を彼は誰を想いながら歌っているんだろう。
そんなことを思いながら口に含んだチョコレートはほろ苦く溶けていった。
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蓮 - 雨さん» こんばんは。コメントありがとうございます！更新頑張っていきたいと思っていますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年6月29日 22時) (
レス) id: ce446c625f (このIDを非表示/違反報告)
雨 - おはようございます(*^^*) はじめまして。いきなりすみません...。 物語一気に読んじゃいました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2020年6月28日 8時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2020年6月2日 19時
