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# ページ11

「好きです。」

俺の放った言葉が沈黙を切り裂いた。

あまりのことに呼吸していないAさんを見て思わず吹き出す。

「呼吸しないと死んじゃいますよ笑」

と言えば明らかに動揺した返答。

もう一度彼女をまっすぐ見て伝えれば頬を伝っていく綺麗な涙。

彼女を泣かせてしまったことに焦る俺に一生懸命首を振る彼女。

どうすればいいのか分からず彼女が泣き止むのを待っていると不意に彼女の口から言葉がこぼれた。

「嬉しいの。好き。」

思いもよらないその言葉に息が止まった。

先輩失格だとはなす彼女を思わず抱き締めたくなる衝動に駆られた。

好きだけど付き合うのは待ってほしいと彼女は言った。

少し気になったけれど特に気にも留めずいつまででも待つとつたえると僅かに彼女の顔が曇った。

この時ちゃんと話を聞いておけばよかったのに。

彼女をエントランスまで送ったあと耐えきれなくなり彼女の細い腰を引き寄せ唇を重ねた。

初めてのキスの味は甘くて少し塩辛かった。

その時、不意に彼女の手からバッグが落ちた。

彼女の視線の先を辿ればセーラー服をきた女子高生がこちらをキッと睨んでいた。

ファンだろうか。

だとしたらやばいな、なんて思っていると彼女はこちらを見ずに言った。

「今日はもう帰るね。」

彼女は女子高生の腕を引っ張るとマンションを出ていった。

彼女たちが見えなくなる頃、俺は鈍い体を引きずって部屋へと戻った。

終わり←#



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- 雨さん» こんばんは。コメントありがとうございます!更新頑張っていきたいと思っていますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年6月29日 22時) (レス) id: ce446c625f (このIDを非表示/違反報告)
- おはようございます(*^^*) はじめまして。いきなりすみません...。 物語一気に読んじゃいました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2020年6月28日 8時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年6月2日 19時

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