おばけなんてこわくないさ (ページ6)

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酒は飲んでも飲まれるな）Ｄページ6

今日も今日とて日頃の疲れを癒しに私達３人はバーに来ていた

　んじゃ、俺はちょっと行ってくるな

ガタリと席を立ったのはディーン

つい先ほどまで次の仕事の目星を確認し合ったばかりで、その後の時間はフリータイムというのが私達の鉄則であった。

サムは仕事の話が終わってもパソコンを操作していてまた仕事を開始しているのが毎度のことであった。

ディーンはというとまたナンパでもしに行くのだろう。さっきブロンドの美女と会話をしていたのを見かけたからきっと彼女の所だろう

ディーンを目で追いかけていくとやはりビンゴであった

互いに手を挙げて挨拶をし、ディーンなんか鼻の下を伸ばしてそりゃあまあにこにことしていた

　Aもナンパしてきたら？

そんな私を見ていたのかサムはそんな提案をしてきた。

ナンパなんて生まれてこのかたしたことなど無い。

私なんてまだ２０歳にもならない子供なのをわかってて言っているのなら、サムは意地悪だ。

　そんなのしたこと無いよ、第一初対面の人となんか話せないよ

　Aは人見知りだもんな？

くすくすと笑うサムを見る限り、やはり分かっていて言ったのだ

やはりサムは意地が悪い

　分かっているなら言わないでよ

これでも気にしているんだから。

私達の生まれのアメリカは言わずと知れず、自由なお国柄だ

なのに私ときたら、人と目を合わせることさえできずに長身のサムとディーンを利用していつも彼らの影に隠れているのだった。

人と話すのが得意ではない私は彼らの情報収集能力と愛嬌が羨ましかった

　・・・ね、A。たまにはお酒でも飲んでみない？

　サムも滅多に飲まないのにどうしたの？

パソコンを終いながらサムはカウンターに私をエスコートしてくれた

　そういえばさ、Aってお酒初めてじゃない？

　そういえばそうだね

昔一度だけ、ハンターの人にお酒を飲まされたことがあったが飲んだ後の記憶が無かった。

どんな味だったかも覚えていなくて、そんな話を前にサムとディーンに話をしたことがあった

そして、今度は意識がはっきりしている時にまた改めて３人で私の初飲酒を祝うなんてことを約束していたのだ

　もうAも２１だもんね？そろそろ大人の付き合いってものを知らなくちゃね？

なんて片目をつむり、ウィンクをしたサムに私はくすりと笑い、乾杯をした