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日もすっかり落ち、気温も下がってきた頃、水島が部屋に入ってくる。
「……A？」
水島は泣きそうな顔で私を見る。
「なんで、口を割らないの。こんなに酷い目にあってるのに」
「……あわせてるのは、あんたらだろ」
「僕は……！」
彼は何かを言いかけて、口を噤んだ。
俯いた彼をみて、口を開く。
「……私が涼星を殺すことはない」
「あいつのために、そこまでする価値はあるの？」
「涼星のためじゃないよ。自分のためだ。涼星が先に死んだら、私は多分耐えられない」
彼は涙をいっぱいに溜めた目で、私を見た。
私は少しだけ笑う。
「私にそんな顔をしてる貴方が、わからないわけないだろ」
「……君、まあまあ性格悪いよね」
「そんなところが好きなんじゃないのかな？」
せせら笑うと、彼はため息をつく。
「……そうだよ」
彼は椅子をベッドに寄せて腰掛けた。
月の明かりが、窓から差し込んでいる。
「……前に確か、君に酷いと言ったことがある」
「うん。……薬のことだよね」
「そう。……私の方が、よっぽど非道で、悪人だ」
自分のために、何人を殺しているのか。
暫くの沈黙のあと、水島は口を開いた。
「……君が、自分のしたいようにするなら、僕もそうするよ」
彼は真剣な表情で言った。
「夜中の11時から12時までは、廊下の見張りはいない」
……なぜ、そんなことを。
唖然として水島の顔を見ると、彼は照れたように微笑み、またすぐに続ける。
「逃げるのなら今日だ。明日から多分君は……」
言い淀む姿に、何となく察した。
弱っていく一方なのだろう。
「……中庭から、クリーム色の建物のところを目指して」
頷くと、彼は笑って、私の頬を撫でる。
「……もう、会えないといいね」
手の温もりが離れていく。
「……ありがとう」
「……うん。じゃあね」
ドアが閉まる。
鍵のかかる音は、しなかった。
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ほっ - え、今更新中止しますか！？めっっっっちゃいいところだったのに！？？ (2022年3月6日 13時) (
レス) @page49 id: a5ff14c25a (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - あ”ぁ”ぁ…っ、ちょ、いいところっ……！！今！いいところぉっ……… (2021年7月31日 2時) (レス) id: 3cae246b7c (このIDを非表示/違反報告)
あま - 一番気になるところで… 更新待ってます！！！ (2020年6月20日 23時) (レス) id: 621034dbe1 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 今、更新停止中ですね。 (2020年2月19日 17時) (レス) id: a614cebea9 (このIDを非表示/違反報告)
NZM(プロフ) - 更新楽しみにしてます…！吸血鬼様良き… (2019年11月22日 16時) (レス) id: 13f970b2f4 (このIDを非表示/違反報告)
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