26話 ページ50
「涼星っ、いたい、たすけて」
「……ごめん」
タオルが肌を拭う感覚も、痛みにしかならない。
「それ、やめてっ……!」
「風邪ひくぞ」
「べつに、いい!」
身体を丸め、シーツを掴む。
汗が額を伝うだけで痛みが走る。
「やだ、っあ、」
「……後悔、してるか?」
薄らと目を開けると、涼星の冷たいような、心配するような表情。
「……ここで、後悔するぐらいなら、途中でやめてる」
自分なりに誠意を見せたつもりだったんだけど。
少し笑ってみせると、涼星は思わずといったように俺を抱きしめた。
……当然、激痛が走って声も出ない。
「……ありがとう」
珍しく泣きそうな声にちょっと嬉しくなる……どころではなく、痛みにもがく。
「……あ、ごめん。痛かったか」
そんな軽く言うな!!
睨みつけると、涼星は、さっきまでとは打って変わって楽しそうに笑う。
「そんなに睨むな……それにしても、据え膳だな」
人が苦しんでるときに何を言う!
……徐々に痛みは薄くなってきて、ゆっくりと体を起こす。
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大草原ぴえん丸 - すごい良いですね!(数年前の作品にすみません!) (8月17日 21時) (レス) @page2 id: 8e4784552b (このIDを非表示/違反報告)
なめこ好き - メッチャ私のお気に入りになりました!(*^^*)頑張ってください! (2018年9月17日 20時) (レス) id: 2f8ccb0650 (このIDを非表示/違反報告)
ダダ - このお話大好きです。続き楽しみに待っています。 (2017年6月7日 19時) (レス) id: 3e11cade8a (このIDを非表示/違反報告)
レン - 続き、楽しみにしてますね♪更新頑張ってください! (2017年5月24日 9時) (レス) id: b50ec71b84 (このIDを非表示/違反報告)
るな - のんちゃんさん» 良いですよね!特別感が生まれる笑 (2017年3月5日 19時) (レス) id: 778efceaa7 (このIDを非表示/違反報告)
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