17話 ページ41
首筋に指が触れた。
深海「・・・・少し、覚悟してくれ」
怖い。
そう思ったのが表情に出たのか、涼星さんは俺を見て薄く笑った。
深海「殺しはしないよ」
笑っているにもかかわらず、刃物のような鋭い視線に顔をそむけたくなる。
首元がどくどくと脈打つのを感じた。
布団に横たわって、目の前の吸血鬼を見上げる。
笑った口元から尖った歯が覘いている。
榛原「・・・早く、して」
開いた口から出た強がりは情けないくらい掠れていた。
首筋にほんの少しの痛みが走る。
榛原「っく！！っは・・ぁああ！！」
そこからはもうほとんど痛くない。
・・・でもこの快感は痛みより辛い。
榛原「ひぃっ、やっぱ、いやだぁ！！涼星さんッ・・！」
血を吸われているところが・・・抜けていく血が皮膚を震わせる感覚が、
どうしようもなく気持ちいい。
リオさんや真さんに血を吸われたときは、こんなことにはならなかったのに。
深海「A。ほんとに嫌か？」
一度口を離した涼星さんが柔らかく微笑む。
榛原「むり、これ以上吸われたら、しんじゃう・・！！」
深海「無理じゃないだろ」
長い指が優しく俺の髪を梳いた。
紅い瞳に見つめられていると、思考がかき乱される。
自分の考えがどこかへ行ってしまう。
榛原「・・・ん。・・・・・もうちょっと、なら」
深海「いい子だ」
血の色の瞳が細められ、形のいい唇が弧を描いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1006人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大草原ぴえん丸 - すごい良いですね！(数年前の作品にすみません！) (8月17日 21時) (
レス) @page2 id: 8e4784552b (このIDを非表示/違反報告)
なめこ好き - メッチャ私のお気に入りになりました！(*^^*)頑張ってください！ (2018年9月17日 20時) (レス) id: 2f8ccb0650 (このIDを非表示/違反報告)
ﾀﾞﾀﾞ - このお話大好きです。続き楽しみに待っています。 (2017年6月7日 19時) (レス) id: 3e11cade8a (このIDを非表示/違反報告)
レン - 続き、楽しみにしてますね♪更新頑張ってください！ (2017年5月24日 9時) (レス) id: b50ec71b84 (このIDを非表示/違反報告)
るな - のんちゃんさん» 良いですよね！特別感が生まれる笑 (2017年3月5日 19時) (レス) id: 778efceaa7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
