たけみっちのお兄さん。【東リべ】

38、俺とケースケとカズトラ ページ38

『ちょ、いいから。おれが勝手に連れてきただけなんだ』


「！！ですが...」


『いいって。ほら、行こう』

場地「あ......」

一虎「......」

『な、泣くなよ...悪かったからさ』




そうして俺らはその場から離れた。





「...おいお前ら。あの方はご当主様の息子だ。

これは退団案件だ。当主様にご報告させてもらうぞ！！」


「...っは？...お、おい...それだけはやめてくれ...！！

　嫌だ、嫌だ嫌だ！！！」

「おっ、オレら、知らなかったんだ！！！許してくれ！！」



「そんなことすると思うか？ご愁傷様だな」


「っ...どうせ、死ぬくらいなら...っ！！」




だから、知らなかったんだ。

この後、さっき助けてくれた人が刺されたなんて。

ーーーーーーーーー



『おい、お前ら。なんであんなとこいたんだよ...

あといーかげん泣きやめっての。』





彼の名前はAといった。

俺らの名前も教えたが...

思い返せば皆、苗字は教えてなかったのかもしれない。





場地「おっ、お前...あれ、いたくなかったのかよ」

『はぁ？ケースケお前、人間ナメんなよ...痛くないわけないだろーが』

一虎「じゃなんでAは助けたりなんかしたんだよ...」

『ノリ』

一虎「ノリかよ...」

『あとカズトラ、なんでバナナのTシャツ着てんの？流行り？』

場地「こんなんが流行ってたまるかよ」

一虎「ああ！？なんだと！？」

『まだ頭にバナナ乗ってた方がいいね』

一虎「なんだよ頭にバナナって！！」

『あ、泣きやんだ』

一虎「泣いてねーし！」

『おもっくそ泣いてたじゃん』

一虎「うっさい、泣いてねーったら泣いてねーの！！」

『わっはは！怒るねぇ〜！』

一虎「殴んぞ！！」


場地「ふっ...まあ、とにかくありがとな。」









『ん、気にすんなよ。』









ゴッ。






鈍い音が鳴り響いた。





「...ヒュ〜...ヒュ〜...俺のせいじゃない...俺のせいじゃない...！！」

「殺られるくらいなら...コイツの記憶を消せば...！！」




場地「あっ......おい、A...？


嘘だよな...？


あっ...頭から...血が...！！」



一虎「なっ...なんで...だよ...なんで、こんなことに...


Aはなんも悪くねぇじゃん...！！！


さっきまで、あんな元気に話してたじゃんか！！」





俺達は気が動転していた。

だか、ら救急車を呼ぶという行為を忘れていた。

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