踊 ページ27
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見つめ返しても、その先にはなにもない。
唇を重ねても僕達が交わることは決してなくて。
それが哀しいっていうなら
僕は君に相応しくないだけだ。
君は夢を見ていたんだ。ずっと悪い夢を。
でもこれからもその夢を
ずっと見ていたいと君は願うんだ。
どんなに僕に傷つけられても
どんなに僕に思い知らされても
君の願いが叶うことはこれから先もずっとないんだ。
僕が誰かを幸せにすることは決してないんだ。
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それからアジアツアーを終え
また次のアルバム制作に入った。
大勢の人に注目されて期待されるようになった。
期待されればされる程、小さくなっていく肩。
縮こまって丸まって固くなって。
ああしなきゃいけない、こうしなきゃいけない
そんな見えない制約の中でもがいては
息が出来なくなって、それでも必死に踊り続けて。
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皆同じように不安で怖くて。
デビューするまではデビュー出来るか不安で
デビューしてからはこの人気がいつまで続くか不安で。
波のように寄せては引いて
桜のように吹雪いては散って。
アイドルは儚いもの
だから綺麗で僕達はそれに夢を見るのだけど
実際この場所は、とんでもなく辛い場所だ。
それ以上の歓びがあるのは確か。
でもそれもある程度の人気がなければ
ファンの前に立つことすら出来ないのだから
やっぱり芸能人は商品なんだなって思い知らされる。
思い知らされても此処を離れたくないと思うくらい
皆に依存してる僕も大概おかしい。
摩り切れて消費して皆おかしくなっていく世界。
普通でいられる方がおかしい。
皆どっかおかしい。
君も...おかしいよ、チャニ。
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いつものように屋上から下に降りたら
練習室の中から洩れる光。
まだ誰か残ってる?
僕は飲み物を片手に扉を開けた。
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一心不乱に踊るチャニの姿。
僕には気付きもせずただ、踊る。
心なんて、何処にもないような、そんな表情で。
そんな君の姿を見て放っておける訳ない。
可愛い弟が苦しんでる姿なんて。
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音楽を消した。
君の身体が止まって、やっと此方を僕を見た。
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DN「...ジウ、ヒョン」
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『頑張り過ぎ。たまには休憩しよ?
ずっとひとりで踊ってたの?
僕も呼んでよ笑 寂しいじゃん』
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時雨(プロフ) - ソラさん» 最後までありがとうございました。わかってもらえて良かったです。こんなミンギュ欲しいですね笑本当にありがとうございました (2017年7月26日 16時) (
レス) id: 822bde301f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - ついに終わってしまったんですね、、、！悲しい、とかそんな簡単な言葉で表せないような作品でした（ ; ; ）時雨さんの文才に最後まで驚きでした！そしてミンギュのヌナになりたい人生でした... 素敵な作品ありがとうございましたo(^▽^)o (2017年7月22日 19時) (レス) id: 0417d6889a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 x他1人 | 作成日時：2017年6月16日 3時
