tears ページ24
MINGYU SIDE
俺は何処にも行かない。
何も聞かないから...ただ傍に居てもいい?
.
振り向いたヌナが、優しく俺の頬に触れた。
ヌナの後ろ姿を見た瞬間から
俺はずっと泣いてしまいたかった。
いつもは一人で泣くヌナが
どうして今日は涙を堪えてるのか。
泣かないんじゃなくて、泣けない。
そんなヌナの姿が。
.
『...今日は僕の代わりに泣いてくれる?』
.
ヌナが泣けないのなら、俺が代わりに泣く。
.
泣けないくらい、愛していたんだね。
.
一番愛してる人に、愛されない寂しさ。
一番欲しいものが、手に入らない苦しみ。
.
全部持っているヌナが
唯一手に入れられなかったもの。
ヌナも俺と同じように
それさえあれば他に何も要らなかったんだよね?
.
.
二人で入ったベッド。
初めての距離。
ずっと求めていたぬくもり。
俺の胸の中眠るヌナの姿。
.
ずっとずっとその寝顔を眺めていたかった。
何一つ忘れたくはなかった。
.
ヌナが哀しい時、寂しい時、泣きたい時
俺を呼んでくれたらいい。
俺は全てを捧げられる。
ヌナが俺を求めるなら
この命も持っていってくれていいよ。
.
顔に掛かる髪を避ける。
綴じられた美しい瞳。
通った鼻筋。
小さく赤いその唇も。
.
全部魅力的。
全て俺を惑わす。
全て捧げても命すら惜しくない程
もう既に溺れている。
引き返すつもりなんて初めから更々なかったんだよ。
.
薄い瞼に口付けをした。
鼻、頬、その小さく赤い愛らしい唇も。
.
全て満たされる。
これが最初で最後でも。
.
貴方は触れてはいけない高貴なものだから。
簡単に触れたら壊れてしまう、脆いものだから。
何も知らなくていい。
ただ、良い夢を見ていて欲しいと願った。
俺の胸では。
.
朝になればまた変わらぬ日常。
傷付けて傷付いて、ヌナは生きていくんだ。
これから先もずっと。
その隣に居る覚悟なんてとうに俺は出来てるから
もっと酷く扱ってもいいよ。
.
だからそれまでは
その肌に触れることを許して。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨(プロフ) - ソラさん» 最後までありがとうございました。わかってもらえて良かったです。こんなミンギュ欲しいですね笑本当にありがとうございました (2017年7月26日 16時) (
レス) id: 822bde301f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - ついに終わってしまったんですね、、、！悲しい、とかそんな簡単な言葉で表せないような作品でした（ ; ; ）時雨さんの文才に最後まで驚きでした！そしてミンギュのヌナになりたい人生でした... 素敵な作品ありがとうございましたo(^▽^)o (2017年7月22日 19時) (レス) id: 0417d6889a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：時雨 x他1人 | 作成日時：2017年6月16日 3時
