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最後のホームルームで文化祭劇の役決めをすることになった。
練習は2学期からなのに、シゲがもう台本の第一稿を上げてきたのだ。さすが。頭いい人はやっぱ仕事が早いね。
クラスのみんなに配り、一通り目を通す。
シゲの台本では、みんなが知ってるアニメとはちょっと違うキャラクターが描かれている。
「すごい!これ面白いね」
わたしが結貴に言うと、
「うん、衣装のデザイン湧いてきた!」
とニコニコと返された。
「えっと…これは第一稿なんで、なんかもっと…こうしたほうがいいとかあったら、言ってください」
シゲが照れながら言う。
でも、ほんとにすごい。
面白いよ、これ。
「じゃあキャスト決めます。まず白雪姫やりたい人」
シゲが言うが、誰も手を上げない。
「…」
「はいっ」
「え?」
結貴が元気よく手を挙げた。あんた衣装担当でしょうが。
「推薦でもいい?堀川さんがいいと思います!」
「はあ?」
なんでわたし!!??
主演とか無理なんですけど。
「あー、わたし部活忙しくって…」
「白雪姫ほとんど寝てるしセリフそんなないじゃん」
「う…」
たしかに。
シゲの書いた台本では、白雪姫は序盤と終盤ではしゃべるけど、途中はずっと寝てる。
むしろ暇なのでは?
「えっと、ほかにやりたい人いない?」
クラスを見回すけど、みんなニコニコしながらこっちを見てる。
「はあ。わかりました。やります」
一斉にクラス中から拍手が起こる。おもしろがりやがって。
まっすーはびっくりした顔でこっちを見てる。
「ごめん、部活に支障出ないようにするから」
そう小声言うと、
「あ…うん、がんばって」
といってふっと笑った。
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イゴマ(プロフ) - mikattiさん» はじめまして!感想ありがとうございます。励みになります。これからも頑張ります。 (2020年5月28日 12時) (レス) id: 016b7ae748 (このIDを非表示/違反報告)
mikatti(プロフ) - はじめまして!面白くて一気に読んじゃいました(^^) (2020年5月25日 7時) (レス) id: 03cdeaca38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イゴマ | 作成日時:2020年5月24日 18時