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「…なに…が起きてるの？」
隣にあるはずの体温がないことに気づき飛び起きてからわずか10秒。
さすがにまだ頭は働いていなくて、目の前の光景をじっと見つめても状況を飲み込めない。
「あ、智にぃ起きた？」
廊下で首を傾げているだけの僕に、なぜだか背中にAを張り付けた和が「俺と同じ反応してる」と笑っている。
と、とにかく、それほど深刻な状況ではないってことね…？
「大丈夫？顔色悪いけど」
「え…そう、かな。ごめん、たぶん飛び起きたせい」
焦って起き上がったせいで心臓が跳ねているし、それに合わせるように頭全体も脈打っている。
それは自覚していたけど、まさかそんなにわかりやすく顔に出ていたなんて。
「やっぱり早く自分の部屋で寝たほうがいいよ。潤のことは俺がどうにかしておくし、Aは俺が一緒に寝るから。ね？」
「ん、かずにぃと」
それは…そうだよね、そのほうがいいよね、ごめんなさい。
絵本も途中だったのに、僕が先に寝てしまったから。
昨晩は仕事で、2時間仮眠を取っただけだった。
それを知ったみんなから『早く寝たほうがいい』と説得されていたのに、寝かしつけくらい出来ると言い張った。
あれだけ大丈夫だと豪語していたのに、結果これなんだから弁解の余地もない。
「でも…さとにぃも、いっしょ…だめ？」
「いいよ〜、もちろん。
ほら、智にぃも一緒がいいって。誰も責めてないよ」
怒られても仕方ない、嫌われても仕方ないと、心の中の声を口に出しては言っていない。
でもきっと和は全てお見通しで、「大げさ」と頬を緩めながら、未だにぼーっとしている僕に向かって手招きしてくれた。
一緒がいいと言ってくれたAといい、寝てはいられないという僕の意思を尊重してくれた和といい、うちの子はみんな優しくて気遣いやさんだ。
「潤なんだけどさ、だいぶ飲んで帰ってきたみたいで、気づいたらここに倒れてた。
Aが一番に気付いて介抱してくれてたみたいなんだけど、なんだかお腹を痛そうにしてたっていうから気になって」
「ほんとだ、結構酔ってるね。どこかで転んだりしてないかな…念のため怪我の確認もしておこう。
Aが助けてくれたんだって？ありがとね〜」
「ん…えへへ」
潤が帰ってきたとき、廊下から物音でも聞こえたのかな。
気になって様子を見に行ってくれたのかもしれない。
「さて、潤はどうしたかな」
ちょっと心配しちゃうな。
こんな姿、超ウルトラレアだもの。
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ちさ(プロフ) - くぅさん» 昔のお話までたくさん読んでくださって、それだけでなくこんなに温かいメッセージまで、本当にありがとうございました。マイペースになりますがこれからもお話を書いていきたいなと思っていますので、その際にはまた遊びに来ていただけたら嬉しいです (2023年4月16日 15時) (
レス) id: e5a26ed64a (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - くぅさん» 家族の愛をずっと大事にしてきたつもりなので、この家族について私と同じように感じてくださっていることがとてもとても嬉しくて。文章だと伝えづらいことがもどかしいですが、朝から何度も読み返してしまうくらいに感激しています。 (2023年4月16日 15時) (レス) id: e5a26ed64a (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - くぅさん» とちょっと不安に思いながら更新していたので、くぅさんからのメッセージを見てあぁ続けていてよかったなぁと感慨に浸っていました。兄と弟の関係性についてはまさに！兄だけど弟のようで、弟だけど兄のよう、と状況によって立場年齢関係なく支えあえる信頼と絆と (2023年4月16日 15時) (レス) id: e5a26ed64a (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - くぅさん» はじめまして、くぅさん。本当に本当に温かいお言葉ばかりで、今朝読ませていただいたのですが寝起きの頭が一気に覚醒するくらいに嬉しかったです。ここ数年お話を思うように書けなくなって、それでも一緒に趣味を共有してくださる方が少しでもいるのなら…と (2023年4月16日 15時) (レス) id: e5a26ed64a (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 琴子さん» 琴子さん！今回もまた遊びにきてくださってありがとうございます。少しでも楽しんでいただけるところがあれば嬉しいです (2023年4月16日 15時) (レス) id: e5a26ed64a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2021年6月20日 21時
