354晴れる闇 ページ44
A「でも、今日からは違うよ。」
お市「!!」
A「もう…あなたは独りなんかじゃない。いや、独りになんてさせない。だって、あなたはもう魔王の妹じゃない、夫を一途に想い続ける強い奥方、お市の方なんだから!」
お市「!!…どうして……どうして…そこまでして、市を…市の事を…?あなたと私は…絶対交わらない存在なのに……。」
A「……私も、お市さんと同じだから。」
お市「…?」
翠、皎月院「!」
A「この世で大好きな人と出逢えた……ただそれだけで幸せなんだって気づけた……そこに価値なんか求めない。大切な人を想って、泣きながらも諦めず、笑って生きていれば…その内だんだん心から思えるようになるんだ……
…生きてて良かったって…。」
お市「!!!!」
A「だからお市さん…どうか戻ってきて…!あなたは…
…幸せになっていいんだから!!」
そう叫んだ瞬間、Aの光は一層輝きを増し、一本だった狐の尻尾は九本に増えた。その姿はまるで…
慶次「Aちゃん…その姿…」
まつ「まるで…」
皎月院「……
お稲荷様…?」
翠(……そう…Aの前世…何度転生しても尚、前世の記憶と名残が来世まで引き継がれる瀬名姫の本当の正体…
…それは…時に人々に祟りをもたらし、時に人々に豊作をもたらし、自然と己が居場所を守る…
…お狐様…)
Aはお市を真っ直ぐ見据えながら金色の光を纏う弓を構え、矢を糸にかける。
そして…
A「…天狐鳳来(てんこほうらい)。」
[キリリリ…ヒュパッ!!ピイイィィィ!!]
全員「!!」
Aがお市に向けて放った矢は九本の尻尾を生やした九狐の姿に変わり、光を纏い、慶次、お市の身体を覆い尽くした。
お市「!!はぁっ…!」
慶次「っ!!」
孫市「!!慶次!!」
まつ「お市様…!!」
狐の矢に赤黒い影は浄化され、慶次、お市はその場に倒れこむ。そして次の瞬間、本能寺も音を立てて崩れ出す。
皎月院「!!ここに居ては危険です!私が道を作ります!早く脱出しましょう!」
皎月院の言葉に翠達は従い、孫市は慶次を、まつはお市を肩に担いでその場から退出する。
築山姉妹は……
翠「A!!何してんの!?早く逃げなきゃアンタも巻き込まれ…」
A「……。」
ラッキーカラー
あずきいろ
7人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!!終盤戦ももうすぐそこなので、張り切って最後まで書かせて頂きます!! (2017年11月13日 13時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - もう楽しみでしょうがないです、早く続きが見たい!夢主達がどぅーなるか気になります!!更新頑張って下さい!! (2017年11月13日 12時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!もう本当に長らくお待たせしてすみませんでした!!完結まで後もう少しなので、頑張って最後まで終わらせます!! (2017年10月24日 11時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - 待ってました!!これからどぅーなってくるか楽しみです!!更新頑張って下さい!! (2017年10月23日 18時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!すごく嬉しいです!返信遅れてすみませんでした!これからも張り切って更新させていただきます! (2017年10月22日 20時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:タンポポ | 作成日時:2017年9月13日 14時