戦国BASARA Judge End 十ノ陸【絆はいつでもここに】

343懺悔 ページ13

心の隙間に出来た闇の華はそんな自分の弱さにつけこみ、そそのかす。皎月院はソレとずっと前から、今まで戦ってきたのだ。独りで。






A「ウチは…何も…知らなかった……知らずして知った気になってたんだ…っ…!誰かを想い、支える事がどれ程重く、難しい事か…!」






皎月院「!」





翠「A……。」






A「…誰かを守り抜く事は簡単な事じゃない…それに今更気づかされたウチは愚かだ……でも、うたちゃんはそれを理解してた……これまでずっと…三成さんの傍で背中を…守っていたんだね…。」






皎月院「!……どうして…どうして…そんな事言うの……私も…あなた達を殺す資格なんかないのに…
…三成様を守れなかった己の非力さを全部あなた達のせいにして…現実を見ないで逃げていた…
…こんな事より、まだ他にやるべき事があるのに…っ…」






A「!……それは…ウチもだよ……前ばかり睨んで、後ろも振り返らず、足元をすくわれていた事にすら気づけなかった……絆を守る為であるはずの家康の拳を…戦いの血から守れなかった…
…三成さんの光を…奪ってしまった…。」






皎月院「!……っ…あの人はね…尽くされ慣れてないだけなの……他者から見返りも感謝も求めないのは、自分を偽って無理をしているつもりはないから…
それが…他者からしてみたら傲慢とか、冷酷に見られて……三成様の長所をまともに見ないでそんな事を嘯く連中を…私は許せなかった…。」






A「……。」






皎月院「…でも、そんな三成様を同じ目線から真っ直ぐ見てくれたのが家康様だった。」





A「!」






皎月院「…確かに…三成様と家康様は正反対のお人柄だけど……故に…お互いの空いた部分…持ってない部分を補い、力を合わせる事が出来たの…。」






A「…うん……そうだったね……お互い背中を任して、同じ、秀吉様の創る泰平の世を目指していた……なのに…今の二人は…背を向いたまま……先に謀反を起こしておいて、今更悔いるとか…本当に…情けないよね…。」






皎月院「!……









…秀吉様を討っても後悔しないという確信はなかったのですか？」






A「……ない、と言えば嘘になる。家康もウチも後悔する事を考えないようにしていた……でも、その勝手な驕りが、周りに影響し、狂わせてしまった。」






皎月院「!……。」





翠「っ……。」

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