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保護対象の彼 ページ6

「ほんで、どーよローレン」
「いやー徐々に懐いてきてはいるよ?」

Aが食べ終わった皿と、自分の皿を片付けながら、ボスであるだるまからの質問に応える。

「飯食ったらすぐ寝たし、初日よりはいーんじゃない?」

助けるかと聞き、助けてと答えられたので助けたあの小さい猫のような生き物は、
気絶したままアジトへ運び、医療班であるイブラヒム達が来るまで俺のベッドで寝かせたが、
治療を受ける前も、後も、ただ魘されていた。

怪我による痛みかとも思ったが、うなされている中で小さく、
ただ一言、聞こえた言葉でわかったのは、おそらくいつもうなされているのだと言うこと。
そうでもなければ、うなされている中で
「殴らないで」
なんて言葉がこぼれ落ちるだろうか。
その言葉を聞いたのは、俺と、ボスと、治療をしてくれていたイブラヒムのみだったけれど。
恐らく本人も聞かれたくは無いだろうからと、他のメンバーには伝えていない。

けれど、それ以外のところで結局女性陣や他幹部たちは彼を保護対象と決めた様だ。
彼の身体に残っている傷跡が、何を言わずとも伝えてしまっていた。

そりゃあ俺たちだって抗争や、軽いど突きあいをするもんだから、生傷も耐えない。
けれど、Aの身体には治りきらなかった古い傷、深くてえぐれた様な箇所、傷に傷を重ねたような部分、
まるで日々誰かに、傷が治る前に意図的に傷つけられでもしない限り負えないような傷が、体の至る所にあった。

重ねて、ローレンや同じ幹部の葛葉も細身の自覚はあるけれど、それを超える細さ、栄養が足りてないのだとわかる身体を見て、どうしても放っておけなかったし、そりゃあ女性陣も過保護になるだろう。
体調を優先してかあまり頻繁に彼を訪ねることはしていない様だけれど、その分1番様子見をしている自分に、ボスと同じように確認してくるのだから。

「あ、りつきんさん、今日の飯もうまそうに食ってましたよ」
「ほんとぉ?よかったよかった」

も少しカロリーあるものも徐々に作ってあげようかなーと言う。
あれは後数キロは体重増やすまで逃さない目だなとも思ったけれど、まぁそこは同意なので特に何も言わなかった。

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作品ジャンル:恋愛
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take(プロフ) - 恵蓮さん» 恵蓮さんありがとうございます!励みになります…!! (9月16日 19時) (レス) id: c318ee380a (このIDを非表示/違反報告)
恵蓮(プロフ) - これからの更新も楽しみにしております! (9月16日 19時) (レス) @page6 id: 727a00857a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:take | 作成日時:2023年9月15日 1時

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