俺たちの赤 (ページ16)

今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:20,162 hit

衝撃の事実がお互いに_1 ページ16

「ローレン！そっち逃げたぞ！」
「おけおけ、てめぇみかじめ料払わねぇ奴はどいつだって言ってんだよ！」

「A、あの鍵撃ち抜ける？」
「もち～！任せとけぃ」

あの誘拐からのぶっ倒れから、Aがファミリーの一員となってから数週間。
倒れた時は本当にこちらの血の気が引いたが、流した血の量に比べれば傷は浅かったらしく、元の怪我も含めてすっかり元気となったAは、今ではファミリーの仕事にも参加している。

「ローレンとA、帰りましたぁ～」
「おー、Aお疲れさん」
「あれボスぼすボス、俺へのお疲れ様が聞こえんなぁ？」
「だっはっは、よーわからんなぁ！」

今日も日中、俺とAでファミリーのナワバリで走り回ったり、資金稼ぎに強盗した所で、皆のホームに帰ってきた。
ボスのA贔屓にも慣れたもんで、軽口で絡んで笑い合う。

「Aー、お前シャツ破れてね？」
「あれイブ、マジ？ちょい着替えてくるわ」

みんなでくつろぐ中心の部屋に居たのは、ボスだけだったが、俺らの後に後ろから現れたイブがそうAに指摘する。
Aは、チェイス中にでも引っ掛けたかな～と言いながら、部屋へと引っ込んで行った。
俺と一緒に過ごしている部屋に。
それを目線だけで追っていたら、だるまが口を開く。

「……なぁローレン、こんな事聞くのもアレなんやけど」
「何よボス、んな改まって」
「Aとは正直どこまでいってん」
「……は？」

開いた口が塞がらないとはこの事か。まさかだるまからそんな事を聞かれるとは思わず、開口してしまう。
この男はこんな事を聞いてくるタイプだったろうか、と思うが、Aに対して若干過保護な部分があるだるまにとって、気になるのかもしれない。
実際、微妙にだるま自身気まずそうではあるし、こちらも気まずい、が、しかし、

「…………、別に、どこまでも行ってないデスけど」
「いやそんな隠さへんでもええて、あんだけ一緒に居るんやから今更な部分もあるやろ」
「いや、じゃなくて」

そーーーじゃなくて

「俺達別に付き合って無い、し」
「……は？」
「うそだぁ」