俺たちの赤 (ページ15)

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寂しがりが派生したページ15

俺が誘拐されてから数時間
俺が助けて貰ってから数分
知らないギャングのような何かが再起不能に潰されている現在進行形

何故だかわからないけれど、俺はローレンの腕の中にいた。

なんで？

だるまに、とっくに仲間だ。と言われて嬉しくて、目に滲んだ涙が頬を伝う様に零れていた
それを拭いたくても手も足も縛られているため、どうすることもできなかったが
だるまの後に入ってきたローレンが、一目散に俺の所に駆けつけてくれたので、紐をほどいてくれると思ったのに
解く前に思いきり、しっかりと抱きしめられている

「あの、ローレン？」

周りが銃声やらなにやらでかなりうるさいが、抱きしめているこの距離だから、聞こえてはいるのだろうけれど、返答がない。
紐をほどいてほしいなぁとか、なんで抱きしめてるのとか、なんで何も言わないのとか、言いたいことは色々あるけれど
抱きしめているローレンから伝わってくる心臓の鼓動が、とても、とても早くて

「…心配、かけてごめん」

そう言うと、返事は無いけれどローレンの腕の力がほんの少しだけ強くなった

「…Aが、居なくなったって聞いて、…死ぬかと思った」

それは俺が？それともローレンが？
なんで俺が誘拐されてローレンが死ぬんだよ、なんて、そんなことを口に出すほど野暮では無いけれど

抱きしめられているから、ローレンの顔が見えない
彼はどんな顔をして、それを今俺に伝えているんだろうと考えていると、少しだけ触れている頬がほんの少し冷たくなった

「…ローレン、泣いてる？」
「泣くわけねぇし」

食い気味の返答だったけれど、同時に鼻をすする音も聞こえたので、つい笑ってしまう

「ろれ、紐、解いてくんね？」

じゃないと俺からローレンを抱きしめ返せない
そう耳元で伝えると、数秒間を置いてから、シュルと紐が解ける音がした
自由になった腕で、しっかりとローレンを抱きしめ返す

「ローレン、俺さ、明日も明後日も、その後もずーっと、ローレンと一緒に寝ていい？」
「…今更俺に1人寝させるつもりだったん？」

そういうローレンの顔を覗くと、まるでいじけた子供みたいな顔をしていた
今度はちゃんと顔を見てあげれたなと思った
寂しがりの俺は、新しく寂しがりに育ててしまったらしい
それにまた笑って、今度はローレンも笑ったのを確認して、俺はまた、意識を手放した

そういや俺、頭ぶん殴られて血も出てたわ
意識失ってばっかりだな～。と焦ったローレンの声を遠くに聞きながら、思った