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その日1つの席が増えた_1 ページ13

目の前のだるまが笑い、話し、周りのみんなもそれに釣られて笑って、時々ローレンが弄られて、弄って、
じゃれるように殴りあって、それをアルスさんが仕方がないなぁと言いながら治療して。

そんな彼らの日常に俺も入れて貰えた気になっていた。共に笑って、話して。
でも俺は、ファミリーじゃない。
ただ助けて貰って拾ってもらった、保護されただけの猫のようなもの。

ふと、こちらを見るだるまとローレンと目が合う。
あぁ、彼らが助けてくれたから俺は今ここに居られる。
ありがとうと伝えると、彼らも気にするなよと言って、そして、さよならと言った。

そうだよな、俺は、仲間じゃ、ない。



遠くから何か声が聞こえる様な感覚と、頭が少しずつハッキリする様な感覚に
あぁ、殴られて気絶していたんだとわかった。

さよならと言った2人も、俺が今見ていた夢なんだと理解したが、そんな事よりも今は身の危険をどうするかである。
どうにか助からないと、さよならさえも言って貰えない。そんなの寂しすぎる。

腕と足は縛られてはいるが、特に目隠しと猿轡などはされずに床に転がされている状況。
顔はさっき見たから隠す意味もないのかもしれない。

「おい!どうすんだよ!」

状況を確認していると、近くで騒がしい男たちの声がハッキリと聞こえてきた。

「こいつ本当にGODFAMILYの仲間じゃないんじゃないか!?」
「こちらが掴んでる情報の誰とも一致しねぇ奴だぞ」

そう詰めれられている男は、恐らく俺に銃を突きつけてきた男。
だからそう言っただろうがと言うのは、恐らく今行ったら何されるか分からないから言わないが、その通りなんだってば。
GODFAMILYのメンバーはあの10人だ。

「だけどコイツも仲間と一緒に居たんだ、ボス1人誘きだすぐらいの価値があるかも知れねぇだろ!」

ボスを、誘き出す?
その言葉に、一瞬血が沸騰するかのように熱くなったのを感じた。
俺を助けてくれた人が、俺のせいで傷つくなんて、そんなの合って欲しくない。
そうなれば俺が取る行動なんて1つだ。

「・・・俺にそんな価値ある訳ねーだろ、馬鹿かお前ら」
「あぁ?お前今の状況わかってんのか」

まだ、連絡が行っていないことを願い、止めるしかない。

「分かってんに決まってんだろボケ、ただの一般人の男を殴って誘拐して何が誘き出すだ」

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作品ジャンル:恋愛
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take(プロフ) - 恵蓮さん» 恵蓮さんありがとうございます!励みになります…!! (9月16日 19時) (レス) id: c318ee380a (このIDを非表示/違反報告)
恵蓮(プロフ) - これからの更新も楽しみにしております! (9月16日 19時) (レス) @page6 id: 727a00857a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:take | 作成日時:2023年9月15日 1時

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