子供のやり取りの裏で_2 ページ11
「なら実際に射撃場でバトルしてみるのはどうですか?」
幸い、この家の別室に簡素ではあるけれど射撃訓練場を作成したばかりだ。
それだそれだと言い、より多くヘッショ決めた方の勝ちな!などと言いながら、射撃場へと向かう2人とそれの見守りと野次馬をしに着いて行くじゃすぱーとへしこ。
なんだか少しだけテンポがズレてしまい、着いていくことができず置いていかれる俺。
そこでまたチクリというかズキリというか、なんとも言えない感覚を味わった。
Aは俺が助けたんだという気持ちと、俺を恐らく頼ってくれているという自負、
俺が側にいれば夜もちゃんと眠れているという事実。
全てが恐らく優越感というものなんだと分かっているけれどそれを言葉に出すと、出してしまうとなんだか戻れなくなってしまうような気もして。
なのに、俺以外の奴と仲良くしている所を見たら、こうやって、こう、それを自覚してはいけないと頭のどこかで思っている、嫉妬心もあって。
「んー、…手放したく、無いかも」
「じゃあ手放さなければいんじゃね?」
「っ、イブ」
つい口をついた独り言に、イブラヒムが返答をくれる。
「ローレン、俺らギャングだろ?」
だったら手放さずに、人に奪われることもしなければイイじゃん。
と、至極真っ当なこと言ってますみたいな面してイブに諭される。
真っ当では無いけれど、俺たちギャングにとっては、真っ当か。
手放したく無いのであれば、手を離さなければいいってこと。か。
「ろれろれろれろれ!!早く来てー!!俺が葛葉ボッコボコにする所見せるから!」
「…わーった今行く!」
そう呼ばれて彼の元へと向かった。
なんだか少しだけ気持ちが軽くなった足取りで。
ほんの少し、決意を決めた足取りで。
結局、射撃対決は8発命中のAと、7発命中の葛葉の後に、急に現れたセリーが10発完全命中を披露した所で幕を閉じた。
348人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
take(プロフ) - 恵蓮さん» 恵蓮さんありがとうございます!励みになります…!! (9月16日 19時) (レス) id: c318ee380a (このIDを非表示/違反報告)
恵蓮(プロフ) - これからの更新も楽しみにしております! (9月16日 19時) (レス) @page6 id: 727a00857a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:take | 作成日時:2023年9月15日 1時