俺たちの赤 (ページ2)

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夢の街の洗礼_1 ページ2

夢の街ロスサントス
夢を見る街ロスサントス

ロスサントスで生きる人々は、皆セレブか、はたまたそれを目指すものか、汚れた金を握り、笑い、泣く者達か。
良くも言えば自由で、縛られずに生きることが出来て
悪くいえば、破滅のような街だと思う

そんな街だと分かっていたのに、
本質では分かっていないまま飛び込んた自分は
おそらく格好のカモだったんだろう

手持ちの金は騙されて直ぐに無くなり、
地味だが稼げる仕事があると言われた仕事はヤクの製造で、
それの取り締まりが厳しくなった後には、代わりにでかい仕事があると言われて連れてかれたさきは、
要約するとギャングとの抗争の弾役だった。

俺はそのよく分からないマフィアだかギャングだかに所属した訳ではなくて、抗争で勝つ為には手駒はいくらあってもいい、その為に金で構成員を準備する。
……というものらしく、気づいたらそこに参加していたのが俺。ってこと。

「バカみてーだな、ほんと」

生きるために金が必要なのに、死ぬかもしれない状況に命を置いている。
そんな馬鹿なことがあるかって話なんだけど今がその状況なもんで。

飛び交う怒号と、罵声と、土煙と、鉛玉。

とある所では撃たれてもがき苦しむ悲鳴が聞こえ、
とある所では弾を当てたことの口悪い喜び勇んだ声が聞こえ、
その声もまた、次に聞こえる銃声でかき消されていく。
自分も次の瞬間にはそのどちらかになるのかと思うと、可笑しくも、震えてくる。

「今逃げたら殺されるか、なっと」

手持ちの黒い塊の引き金を引けば、近くで暴れていたやつの腕を鉛玉が貫く。
一応自信があるこの銃の腕前が、今日ここに選ばれた理由のひとつでもあるのだけれど。

「うーん、どう見ても、こっちの組が押されてるんだよなぁ」

時間が経つほどに、今起きている抗争の決着が近づいて居るようで。

「よし、逃げよう」