探偵社の少女 【文スト】【名探偵コナン】

29話 ページ30

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カツ



カツ



カツ



階段に足音が響く。




ガチャ




『何でここを集合場所にしたんですか？』



ふと、疑問をぶつけてみる。



「さぁな、見晴らしがいいだろ？





…屋上なんて。」





中也さんが答える。





『へぇー、そうなんですね。




‥てっきり私は、ヘリがきやすいからだ思いました』




クルっと周りを見渡す。




『確かにここは見晴らしがいい』




「‥で」



『はい？』



口が微かに動いた…気がする。



「何で、そう思ったんだ？」




ほんの僅か、ほんの僅かな差だが、声が少しだけ、いつもより焦っている。








…あたりか。




『いえ？ただそう思っただけですよ。





この高さならヘリは来れるし、何より…』






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『私は逃げられない』








中也さんの口角が上がる。




「いつから気づいていやがった？」




なんて当たり前のことを聞くんだろう、この人は。





『えぇ？もちろん。









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…最初から』





そう言って、私も、少しだけ口角を上げた。



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