Salon de WEST request 4

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照史side




「お疲れ様です、すみませんお待たせしました！」




予定の時刻よりも30分遅れて来たから少し待たせてしまったけど

もんちや望が早くカラー塗ってくれたおかげで

思ったよりも押さずに完成しそうや





『5時半には出たいんやけど』



はい、来ました。毎度恒例の無茶ぶり


てか初めに確認したやん、大丈夫って言うたのに

まあ、今に始まった事ちゃうからな






桐「お急ぎでしたら巻かずに終わります？」

『いや、巻いて』




ええ、でしょうね…


この人の無茶ぶりにも慣れた


あと数分だけ我慢したら開放される





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「お疲れ様でした〜」




偶然淳太の予約が空いてたから

巻いてる最中にお会計を同時進行でして貰ってて

あとはお見送りするだけ





「ありがとうございました。時間ギリギリになってしまってすみません」




こっちに非が無いと分かっていても

自分が下になるのが接客業の鉄則


それでも一向に出て行こうとしないその人





「忘れ物ですか？」

『謝ってもらってへんけど、待たせたことに対して』






あー、もう嫌！！

なんで自分の発言覚えてへんのよ

これでヤイヤイ言っても逆撫でするだけやからな





「大変失礼致しました。お待たせして申し訳ありませんでした」

『何ヘラヘラしてんねん。どうせ謝ったら済むって思ってるやん』

「いや、そう言う訳では」




ヘラヘラって言われても、これが生まれつきの顔なんやもんしゃあないやんか




『てか高い金払わせてシャンプーとかはアシスタントに任せっきりって何？アンタは髪切りマシンなんか？それ以外はしませんって言うスタンスですか？』




否定は出来ひんかった

勿論予約が被ってへんかったら俺がシャンプーするし

なるべくカラーも一緒に塗るようにしてるけど

アシスタントに任せてしまってる事に変わりは無い




『客が来んかったら仕事も出来ひんのに、お客様は神様ちゃうん？来てくれる事に感謝しないとか終わってんな』




帰って行く背中に一礼して店に戻れば

心配そうな顔してこっちを見てる淳太


「あー、忙し。」


何年やってもクレームには慣れへん


どれだけ理不尽であっても

お客さんありきの商売


あまりにも迷惑がかかる人は出禁にする人もおる言うけど

まだそこまでの勇気は無い




淳太に慰められたら泣いてしまいそうな気がして

サラッと交わして仕事に戻った

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