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鶴「背後からは予想外だったか？」
A「……いいえ」
Aの背中へと回った鶴丸だが、彼女の長いリーチの槍はいともたやすく鶴丸の刃を受け止める。
互いに距離を取り体制を整える。ほぼ互角のこの勝負。最後まで集中力を切らさぬ方が勝ちだろう。
鶴「手馴れているんだな」
A「ふふ、戦場育ちですから」
Aがそう言い終えると、ほぼ同時に互いの懐めがけて刀を振り回す。
力任せに両振は相手の刀を押し合う。”ギギギギギ”、模造刀からはそんな軋む音が聞こえ、お互いの腕はプルプルと震えていた。
鶴「……何の報酬もない手合せなんてつまらないな」
A「くっ……と、言いますと？」
鶴「勝った方が相手の言うことを何でも聞く、これでどうだ？」
A「ふふ、その話、のりました」
Aはそう言いながら鶴丸の刀を振り払えば、鶴丸の体はいとも簡単によろめく。彼の頭上にはAの斬撃がすぐそこにあった。
鶴「(マズイな……)」
A「ふふ、速く避けないと当たってしまいますよ！」
鶴「……もっと年寄りを労った方がいいんじゃないか？」
A「どこがですか？鶴丸さん、簡単そうに避けているではありませんか」
Aが槍をふりかざせば鶴丸の羽織をかすめ、また彼女が足元を突けば彼は軽やかに跳ぶ。そんないたちごっこも再び交わる二振の斬撃の繰り出しによって幕を閉じた。
A「そっちこそ、新人にはもう少し優しくした方がいいのでは？」
鶴「はは、善処する」
カチン、カチンと木特有のひしめきあう音が刀からはして、その音に比例するように二振の攻撃の活発さは増していく。
懐へと目掛ければ相手の刀がそれを拒む、互いが互いの刃を受け止めながら手合せは進んで行く。
A「…っ！」
ただ、それも鶴丸の鋭い一閃によって終幕を迎えたようだ。彼の一閃はAの槍を突き飛ばし遥か背後へと弾かれる。
彼女が身をひねり槍をつかもうとした束の間、首に当たる無機質な感触。鶴丸の刀はAの首元に当たっていた。
鶴「終わり、だな」
この勝負、軍配は鶴丸に上がったらしい。
A「っ……参りました」
- 金 運: ★☆☆☆☆
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黒雪 長谷部信者(プロフ) - 初めまして！ 人間無骨とても、面白かったです^^* (2019年7月8日 0時) (
レス) id: 64abb0ccf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 続編はどこにあるのでしょう！とても気になります！待ってます！ (2019年4月1日 16時) (レス) id: c428feaf44 (このIDを非表示/違反報告)
しおキャラメル - 長可ちゃん！！！！人間無骨！！！！！好きです！ありがとうござます(*≧∀≦*) (2019年2月19日 1時) (レス) id: 2d0ba07ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：望田 | 作成日時：2019年1月26日 18時
