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A「ほ、本当に薬研通、あなたなんですか……?」

目からこぼれ落ちるものはそのままにしておいて、目の前で笑う…あの日焼けたはずの短刀の頰へ手を伸ばした。それはその存在を確かめるかのように。

薬「はは、俺を贋作とでも言いたいのか?

ほら、別嬪さんが台無しだぜ。拭きな」

A「…阿呆ですか。泣いてなどいません」

彼女は瑠璃色の目を海のごとくうるわせて涙を流しているのだが。

手ぬぐいを差し出されるもののAは受け取らない。言葉とは反して流れることを止めないそれはどんどんと目からこみ上げてきていた。

薬「はぁ、なんでそう強がるんだ……ちょっと屈みな」

そう言うと薬研が優しく目元をぬぐってやる。自分よりも小さいこの手でぬぐってもらうのはやはりこそばゆい。
それでもこの短刀に身を委ねてしまうのは、単に歳上だからだけではないだろう。

拭き終わればいつも通りの青い目に戻る。

A「薬研、あなた生きてたのですね」

いつにも増して嬉しそうに、華やかに笑った彼女に反して、薬研は眉を下げ、口角を無理して上げて笑った。

薬「あぁ、生きていたぞ」

その言葉にどういう意味があるのか、それが分からないほどAは鈍くはない。

少しばかり静かになった廊下。それを掻き消すように薬研は口を開かせる。

薬「夕餉になったら驚くぞ。お前さんの知っている刀がたくさんいるぜ。

不動行光、へし切長谷部、そして宗三左文字」

彼の口から次々と出てくる刀たちにAは唖然とする。
脳裏をちらつかせる、今でも鮮明なその刀たちとの思い出は、決していいものばかりではなかったが、政府にいた時もその刀との思い出を懐かしむくらいには大切な存在だ。

A「…そうですか」

そして、守りきれなかった存在。

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黒雪 長谷部信者(プロフ) - 初めまして! 人間無骨とても、面白かったです^^* (2019年7月8日 0時) (レス) id: 64abb0ccf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 続編はどこにあるのでしょう!とても気になります!待ってます! (2019年4月1日 16時) (レス) id: c428feaf44 (このIDを非表示/違反報告)
しおキャラメル - 長可ちゃん!!!!人間無骨!!!!!好きです!ありがとうござます(*≧∀≦*) (2019年2月19日 1時) (レス) id: 2d0ba07ba8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:望田 | 作成日時:2019年1月26日 18時

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