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周の言った通りに左へ曲がると、風情のある庭が目に入る。池には鯉が威勢良く泳ぎ、縁側と面したこの廊下は風が心地よい。

今の季節は春のようで、庭の向こうにある丘には桜がはらはらと舞っている。

今日からAの兄となった刀が好みそうな情景だ。おそらく、庭に一番近いからここの部屋となったのだろう。

景色を楽しみながら歩けば、すぐに部屋にたどり着いた。
厠の隣の飾り気のない障子を二回、優しく叩く。思えばこれから自分の部屋となるのだからこれは要らないことなのだが。

歌「どうぞ」

程なくして障子の向こうから優しそうな男性の声が聞こえる。この声の主が歌仙兼定で間違いはないだろう。

古めいた障子の音と共に、ふんわりとした桔梗色をした頭が目に入る。
美しいその風貌に、Aは静かに感動する。

また部屋の中で茶を嗜んでいる歌仙も、Aの端麗な姿に胸を打たれた。

歌「君があの人間無骨かい…?」

A「えぇ、いかにも。

…あなたが歌仙兼定、ですか?」

歌「あぁ」

同じ刀匠の手で生まれた両振。刀匠がその刀を思っている限り、刀の魂は刀匠と共にある。なので両振は同じ時代を生きていなくともその存在は知っているのだ。

そうはいっても初対面は初対面。ぎこちない挨拶だ。粟田口の兄弟は皆こういうときどうしているものか。歌仙は頭を悩ませた。

何を隠そう自分は人見知りで、何十振と刀がいるこの本丸で、新たな出会いはたくさん成してきたことだが、仲間ではなく、妹が増えるのは初めての出来事で、歌仙は戸惑っていた。

どこか居心地の悪い雰囲気に二振は一抹の不安を覚える。

ただ、二振ともに思うことがあった。

歌/A「(案外穏やかな(ひと)だな/ですね)」

兄の方は家臣を36人も手討ちとし、妹の方は27もの首級を挙げた、とんでもない人を主とした刀。

一つの心配事は歌仙の頭から消えたが、これからの生活にはまだまだ頭を抱えることとなるだろう。

✄---------キ リ ト リ ---------✄

次の回には、入れどころに迷ったおまけがあります。

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黒雪 長谷部信者(プロフ) - 初めまして! 人間無骨とても、面白かったです^^* (2019年7月8日 0時) (レス) id: 64abb0ccf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 続編はどこにあるのでしょう!とても気になります!待ってます! (2019年4月1日 16時) (レス) id: c428feaf44 (このIDを非表示/違反報告)
しおキャラメル - 長可ちゃん!!!!人間無骨!!!!!好きです!ありがとうござます(*≧∀≦*) (2019年2月19日 1時) (レス) id: 2d0ba07ba8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:望田 | 作成日時:2019年1月26日 18時

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